い出の化石(12)

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週に一度 想い出の化石として標本を紹介していきます。

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0581 掲 載 日 2024年 3月 28日(木)  
標 本 名  Hypophylloceras (Neophylloceras) hetonaiense Matsumoto
   ハイポフィロセラス (ネオフィロセラス) ヘトナイエンゼ      
産  地   兵庫県南あわじ市灘払川       
時代 地層   中生代 白亜紀後期 マーストリヒチアン階 和泉層群 下灘層
標本写真

コメント 1982年(昭和57)  9月 26日  採集   Phylloceratidae(フィラセラス科)

 灘払川は海沿いの土生港から北におよそ2kmほど山間に入った沢岸の露頭で数は少ないが、化石を含んだコンクリーションが見られる。化石は"Inoceramus" awajiensis Matsumoto を多産し、
これらの含まれるコンクリーションからは稀に Hypophylloceras (Neophylloceras) hetonaiense を見ることがある。
1989年10月19日に人博の準備室時代に淡路の和泉層群の化石産地を数か所 小澤智生先生と前田晴良先生のお二人を案内させて頂いた。 
その時に小澤先生が方解石化した球形のウニの棘(注1)を採取され和泉層群のキダリス類を始めて見たのもこの沢で、今後とも子細な調査が必要な和泉層群の最上部層の産地

  (注1) 想い出の化石 (3)  0131 掲載日 2015年4月2日 の項 参照
備 考 引用・参考文献・Webサイト

 ホッピーだより No.365 2015年4月1日発行
   北海道東部の白亜紀末アンモナイト新研究~
     〜根室層群産アンモナイト展示 国立科学博物館収蔵資料〜
   むかわ町立穂別博物館 ミニ企画展 

 田中啓策  1965
   和泉山脈中部の和泉層群, とくにその堆積相と堆積輪廻について
   地質調査所報告, 212, 1-34.

 磯ア行雄・長谷川 遼・益田晴恵・堤 之恭  2020
   紀伊半島西部,和泉層群最上部からの古第三系の発見
   地質学雑誌 第 126 巻 第 11 号 639-644

 岸本眞五  1993
   (仮称) 兵庫県立自然系博物館設立準備室よりの
            兵庫県内産出化石の採集依頼を受けて
   近畿地学会 痕跡 16 p. 20-41




0580 掲 載 日 2024年 3月 21日(木)  
標 本 名  Placamen foliaceum Philippi
  プラカメン・フォリアセウム  フィリピ            
産  地   高知県安芸郡安田町唐浜       
時代 地層   新生代 新第三紀 鮮新世 唐ノ浜層群 穴内層
標本写真

コメント 1982年(昭和57)  10月 10日  採集 マルスダレガイ科ハナガイ 

殻の色は白色で、褐色の放射帯がある。板状にせり立つ輪肋に覆われる。
概ね円形の輪郭をもち、殻頂は巻き込むように強く前傾する

以下はフリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』【ハナガイ】より引用
ハナガイの学名
 1847年にフィリッピによって記載された foliacea(分類される属の性により語尾が -umともなる)という学名は、他の学者らによって類似種と混同されたために、その後使用されないことも多かった。
すなわち G.B. Sowerby I はじめ、多くの学者らが foliacea Philippi, 1847 とtiara Dillwyn, 1817とを混同し、foliacea はしばしば tiara の異名として扱われた。このため日本でも20世紀中の文献の多くがハナガイの学名を tiara としている。
しかしtiara の原記載において、その命名対象として示されている Born(1870)の Venus cancellata や、Chemnitz(1782)の "Concha veneris orientalis"などの図は、輪肋が後方で変形し、それが並ぶことで後背縁に並行する畝状部を作ることや、大型になることなどから一見してハナガイとは異なり、世界の二枚貝を図示概説した Huber(2010)は、tiara Dillwyn, 1817は Venus calophylla Philippi, 1836 とともにオドリハナガイ Placamen lamellatum (Roding, 1798) の異名と見なされるべきもので、
P. foliaceum (Philippi, 1847) がハナガイの有効な学名であるとした。
備 考 引用・参考文献・Webサイト
 ウィキペディア(Wikipedia) 




0579 掲 載 日 2024年 3月 14日(木)  
標 本 名  ウニ綱 Echinoidea
              
は調査中
産  地  和歌山県有田郡湯浅町栖原            
時代 地層  中生代 前期白亜紀 バレミアン階 物部川層群 有田層
標本写真

コメント 1977年(昭和52)  3月 6日  採集

 掲載標本の産地は50年近くなるが、和歌山自然博物館の子供達への化石採集イベントの体験場所として、今でもアンモナイトや二枚貝・ウニ等の化石を多く産出し地権者の協力で利用されている。
 同じ湯浅町の別の露頭(想い出の化石・0049 掲載日 2013年9月5日参照)では ブンプク類の Paraheteraster macroholcus を多く産出した。
 有田層の泥岩層から産出するウニ類の殆どは、海底の砂・泥に潜って棲息する不正形類のブンプク目て、正形類の産出は見ていない。 
備 考 引用・参考文献・Webサイト

 田中啓策 1984
    本邦産自亜紀ウニ化石
    地質調査所月報,第35巻 第9号,p.389-417,1984
 田中 颯・幸塚久典 2019
    ウニ ハンドブック
    () 文一総合出版




0578 掲 載 日 2024年 3月 7日(木)  
標 本 名  Zelandites sp. cf. varuna (Forbes)
   ゼランデイテス    ヴァルナ   
 
産  地  兵庫県南あわじ市広田
         淡路ふれあい公園            
時代 地層  中生代  後期白亜紀 カンパニアン最上部〜マストリヒチアン最下部 和泉層群 西淡層
標本写真

コメント 1988年(昭和63) 5月29日  採集   ゴードリセラス科

 下灘層仁頃で産出した Zelandites varuna の紹介は 想い出の化石(10).  0508 掲載日 2022年 9月 8日(木)で既に掲載しているので参考にし頂きたい。
 プラビトやディディモを産出する西海岸の西淡層では産出をまだ見ていないが、広田産のものは下灘の物よりヘソの巻きは広く、むしろ Zelandites kawanoi (Jimbo) に外観上は似ているように思える。それぞれの産出層について今一度調べてみる必要がありそうだ。
備 考 引用・参考文献・Webサイト
 むかわ町立穂別博物館  2015   閲覧日  2022/09/4
    北海道東部の白亜紀末アンモナイト新研究
      〜国立科学博物館収蔵資料 根室層群産アンモナイト展示〜
    ホッピーだより No.365 2015年4月1日発行
    http://www.town.mukawa.lg.jp/secure/3641/hoppy_letter_365.pdf
 Yoshiro Morozumi  1985   (英文)
  Late Cretaceous (Campanian and Maastrichtian) ammonites from Awaji Island, Southwest Japan
  (淡路島産の後期白亜紀(カンパニアン〜マストリヒチアン) アンモナイト)
  大阪自然史博物館研究報告 No.39  p.1-58  Pl.1-18 




0577 掲 載 日 2024年 2月 29日(木)  
標 本 名  Placopecten cf. protomollitus (Nomura)
   プラコペクテン    プロトモリトゥス   
 
産  地  島根県出雲市上塩冶町菅沢
           斐伊川放水路 工事現場内
時代 地層  新生代  新第三紀  中期中新世(1500万年前) 出雲層群 大森層
標本写真

コメント 2008年(平成20)年 5月 4日  採集     ムカシホソスジホタテガイ

 出雲市の洪水対策用の運河(斐伊川放水路)の工事現場では、布志名層とその下位の大森層が大きく掘り込まれ多くの化石を産し、ホタテガイ(イタヤガイ)の仲間は大森層の上位層の一部で集中して多産した。特に Kotorapecten kagamianus また Nanaochlamys notoensis の保存の良いものを多産した。
今回掲載した Placopecten protomollitus は片殻で破損したものを2個持ち帰った。
備 考 引用・参考文献・Webサイト

 Katsumi Takayasu 1980
   Fossils from Nange, Matsue City ― Molluscan Fossils from Various Localities in Shimane Prefecture, Part 1 ―
   Mem. Fac. Sci., Shimane Unrv., 14,pp.133-145 Dec. 20, 1980

 KOICHIRO MASUDA 1953
   ON THE MIOCENE PECTINIDAE FROM THE ENVIRONS OF SENDAI; PART 3. TWO MIOCENE PECTENS
   Trans. Proc. Palaeont. Soc. Japan, N.S .. No. 12. pp. 83-87, Pl. 8, Dec. 10. 1953




0576 掲 載 日 2024年 2月 22日(木)  
標 本 名  Mytilus cf. coruscus Gould
  ミュティラス   コルスカス  
 
産  地  福井県大飯郡高浜町小黒飯(おぐるい)    
    (採集場所 青戸入江奥 高浜町安土埋立地 残土仮置き場)
時代 地層  新生代  新第三紀 前〜中期中新世 内浦層群  下層 
標本写真

コメント 2008年(平成20)年 5月 4日  採集  イガイの仲間

 現生種で外来種ムラサキイガイ M. galloprovincialis に似るが、より大型で殻も厚いこと、殻頂が鷲鼻状に曲がること、表面が青みを帯びないことなどで区別できる(ウィキペデア)。
 勝田層群でも同属と思われるものが産出するが、この掲載標本の様な成長輪脈に伴った波打った肋は見られない。
また、瑞浪でこれらの生息状態を示すと思える産状を観察させていただいたが、それは沈埋木に足糸でとりついていたと思わせる多くの個体が並んだ状態で,イワムラニシキ等を伴って産出していた。
備 考 引用・参考文献・Webサイト

 安藤佑介 2018
    瑞浪北中学校敷地造成工事現場(瑞浪市土岐町)に露出した下部中新統瑞浪層群明世層から産出した化石
    瑞浪市化石博物館研究報告 第44号

 中川登美雄 2018
    福井県大飯郡高浜町小黒飯の化石  前期中新世末〜中期中新世初頭の熱帯海中気候を代表する岩礁・砂底群集
    福井市自然史博物館




0575 掲 載 日 2024年 2月 15日(木)  
標 本 名  Ostrea denselamellosa Lischke
  オストレア  デンスラメロサ 
 
産  地  和歌山県西牟婁郡白浜町堅田 (旧藤島海岸)
時代 地層  現 生 (打上げ貝)
標本写真



コメント 1979(昭和54)年 9月 16日  採集    イタボガキ

 過っては藤島と呼ばれ キイキリガイダマシが採集できる海岸としてよく知られ、採集に入ることができた。
1980年代半には島は個人所有となり、今ではホテル An Eland エランドのプライベート海岸して一般は入れない。
 イタボガキについては 佐々木 猛智 2001より引用して、紹介する。
 【以下引用】  イタボガキは1980年以前までは食用種として大量に漁獲されるほどの普通種であった。 しかし、1980年代中頃より全国各地の沿岸から忽然と姿を消し、誰も気がつかぬうちに超貴重種になっていた。
本種は内湾の浅海に生息し、礫に付着して生息する。かつての貝類コレクションは、「珍品」が多いほどすばらしいコレクションであるとされた。しかし、現在では、いわゆる「普通種」に対しても標本が完璧に作成され管理されているかどうかが、コレクションの質を評価する一つの基準になり得る。そして、貝殻だけでなく動物体が保存されていれば、その種の生存を証明する絶対的な証拠となる。採集データの明確なイタボガキの液浸標本が残されていたとすれば、それは間違いなく第一級の学術標本である。 
備 考 引用・参考文献・Webサイト

 佐々木 猛智 2001
    絶滅が危惧されるイタボガキ
    Ouroboros(ウロボロス) 東京大学総合研究博物館ニュース   第15号

 宮田雄一郎・三宅邦彦・田中和広  2009
    中新統田辺層群にみられる泥ダイアピル類の貫入構造
    地質学雑誌 第 115 巻 第 9 号 p. 470−482




0574 掲 載 日 2024年 2月 8日(木)  
標 本 名   Crassostrea cf. gigas Thunberg
   クラッソオステリア  ギガス
産  地  京都府綴喜郡宇治田原町奥山田栢木
時代 地層  新生代  新第三紀 中期中新世  綴喜層群 湯屋谷層層
標本写真


コメント 1980(昭和55)年 2月 10日  採集    マガキ

 殻の外観全体のほっそりとした(たてなが)形状と、丁番(ヒンジ)部の 丸まった長く伸びた半筒状の形から C. gigas と思えるが・・・・

また、勝田層群でもそうであったようにアツガキ C. gravitesta はビカリアと共産するが、マガキ C. gigas は一緒に見ることはない。
確か、綴喜層群では過去 ビカリアが産出したという報告を聞いていない。
備 考 引用・参考文献・Webサイト

 入月俊明 ・栗原行人  2023
    巡検案内書 瀬戸内区中新統:鮎河層群と綴喜層群
    日本地質学会 地質学雑誌 第 129 巻 第 1 号 p.355−369




0574 掲 載 日 2024年 2月 1日(木)  
標 本 名  Anadara antiquata Linnaeus
    アナダラ    アンティクアタ
産  地  沖縄県八重山郡竹富町南風見田の浜
時代 地層  新生代 完新世 (現生)  海岸の打上げ貝
標本写真



リュウキュウサルボウの生息状況 
(沖縄県版レッドデータブックより借用)
コメント 2017(平成28)年 7月19日  採集      リュウキュウサルボウ

 Anadara 属にはハマグリとかアサリの様な水管がなく 外套膜がその役目をし砂に身体の半分を隠し生活している(沼田 1998)。 掲載標本は 西表島の南海岸 河川が流れ込まない海岸での打上げ貝。 この南風見田浜海岸では海岸にマングローブの群生は見られず 西表島のほかの海岸とは打ち上げられている貝類も違っている。
 殻表には放射肋が38本前後あり、肋は成長と共に2分枝される、また殻は後方へ大きく張り出す。
備 考 引用・参考文献・Webサイト
 
 沼口勝之  1998
    アカガイ垂下養成の可能性と問題点 −忘れられた研究データからの情報−
    水産資源研究所 中央水研ニュース No.22




0573 掲 載 日 2024年 1月25日(木)  
標 本 名  Yaadia obsoleta (Kobayashi & Amano)
 ヤーデァ    オブソレータ
産  地  兵庫県南あわじ市広田 (旧緑町長田)
時代 地層  中生代  白亜紀後期  カンパニアン階   和泉層群 西淡層
標本写真



コメント 1985(昭和60)年 10月 27日  採集  サンカクガイ科 Trigonia.類  (破片標本)

 南あわじ市(旧緑町倭人長田)現在の広田では 1980 年代前半から始まった開発工事で現れた西淡層の泥岩層から多くのアンモナイト Pachydiscus awajiensis を産出したが、これらに伴って貝類化石も多くの種を産出し、特に大型のサンカクガイ(三角貝)科の Yaadia obsoleta は他の淡路島の層準からの産出の報告がなく特筆すべき産出といえる。
 殻の外形は丸みのある半月形で、殻表面に同心円状に鈍にぶい突起を連ねた肋が見られ、以前、この種類はステインマネラに分類されていた。
備 考 引用・参考文献・Webサイト

 田代正之 ・ 松田智子  1983
    本邦白亜紀三角貝の生息環境と層序
    日本古生物学会 「化石」 34号 p.19-32

 田代正之・佐光本徳・中村彰男 1986
    愛媛県西条市周辺の和泉層群二枚貝化石・
    高知大学学術研究報告 第35巻 自然科学 

 田代正之 ・ 松田智子  1988
    白亜紀三角貝の生活様式 
    日本古生物学会 「化石」 45号 p.9-21





0572 掲 載 日 2024年 1月18日(木)  
標 本 名  化 石  Geloina stachi Oyama
              ゲロイナ  スタック
 現生貝  Geloina erosa (Solander)
              ゲロイナ  エローサ
産  地  化 石 岡山県津山市高尾 皿川河床

 現生貝 沖縄県八重山郡竹富町 西表島 前良川河口
時代 地層  新生代 新第三紀 中新世中期   勝田層群 吉野層
標本写真 化石




]
現生貝




 
コメント 化 石  2001(平成13)年 8月 5日  採集   スタックシジミ
現生貝  2017(平成28)年 7月18日  採集   ヤエヤマヒルギシジミ

 皿川では 新高尾橋下の上流部の少し粗い(小礫を散在)砂岩層が約1.0mの厚さで見られ この層準にl離弁の ゲロイナが数多く散在して見られる。 また下流部にはビカリアを多く含む細かな泥質砂岩層からは 産出は少ないが合殻のゲロイナを見ることがしばしばあるが、その殆どは圧力変形を受けていて 扁平につぶされているものが多い。
 淡水・汽水に棲むとされるシジミ類 子供のころ近所の小川などでシジミ採りをした記憶から 川底のシジミがいっぱい足裏にあたるほどいるものと思っていた。 西表島では キバウミニナは確かにいやというほど密集してマングローブ林の気根の陰に生息しているが 観察できた範囲ではゲロイナはほとんど見ることはなく 稀に死貝が転がっている程度だ。    
備 考 引用・参考文献・Webサイト

 フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
   ヒルギシジミ属                  閲覧日 2024年1月15日




0571 掲 載 日 2024年 1月11日(木)  
標 本 名  Pravitoceras sigmoidale Yabe
  プラビトセラス        シグモイダーレ
産  地  兵庫県南あわじ市阿那賀 (木場南東奥山)
時代 地層  中生代  白亜紀後期  カンパニアン階   和泉層群  西淡層
標本写真

コメント 1995(平成7)年 2月25日  採集  ノストセラス科  

 この産地はプラビトゾーンを追っていて見つけた場所で 山肌の風化が進んだ泥岩層に点々とプラビトの住房の螺管の破片が落ちていた。
 10回近くこの産地へ訪れ 露頭表面を少し崩しながら探査をして プラビトを29個体確認したが そのうち5個体が標本となっている。 ここに掲載したものは、淡路産のものとしては 珍しく住房までもが扁平に押しつぶされている。
 この産地へのアタックは 地元の方も当時は辛うじて、奥への道(?)の下草刈りをされていたが 今では入っていく方もなく 広範囲に篠竹(すずたけ)が密生し、よほどの覚悟と労力を必要とすることだろう。
尚、この日は阪神淡路大震災の凡そ40日後という時期だった。
備 考 引用・参考文献・Webサイト

 松本 達郎, 両角 芳郎, 坂東 祐司, 橋本 寿夫, 松岡 篤 1981
    白亜紀異常巻きアンモナイト Pravitoceras sigmoidale YABE について (英文)
    日本古生物学會報告・紀事 新編/1981 巻 (1981) 123 号/




0570 掲 載 日 2024年 1月4日(木)  
標 本 名  Anadara kagoshimensis Tokunaga
  アナダラ    カゴシメンシス
産  地  兵庫県姫路市広畑区小松町3丁目地先 道路下2.5m (下水道工事現場)
時代 地層  新生代  第四紀 完新世  播磨(?)海成砂質粘土層
標本写真
 

 
 
コメント 1986(昭和61)年12月?日  採集      サルボウガイ (モガイ)

 サルボウガイとしては、かなり老成化した大きな個体 外形はアカガイ (A.broughtoni) に似るが、ヒンジ(丁番)は Anadara 属の最大の特徴である細かな歯が直線的に、櫛歯状に数多く並んでいる。 殻表の放射肋は32条と少ない。
 殻頂は丸く膨らみ 前方に寄り、靭帯面に巻き込む、同心円状の成長輪脈は、放射肋の間の溝状になったところが、棲息時の摩耗が少ない為か、ハッキリと残されている。
 他の Anadara 属と同様に殻の内部の特徴は、左右の貝柱痕は大きいくて、茶系色の目立つ場合がある。外套湾入はなく 放射肋端部の刻まれた復縁との境には外套線がある。 化石では軟体部は残されていないが、ハマグリやアサリの様な殻の後方に出る水管口は見られない。
備 考 引用・参考文献・Webサイト

 佐藤裕司  2008
  瀬戸内海東部、播磨灘沿岸域における完新世海水準変動の復元
  第四紀研究 (The Quaternary Research) 47 (4) p.247-259

 HIROSHI NODA 1965
  491. SOME FOSSIL ANAIJARA FROM SOUTHWEST JAPAN*
  Trans. Proc. Palaeonl. Soc. Japan. N. S .. 1\o. 59. pp. 92-109. pis. lO.ll. Sepl. 30

 辻本修・梶山彦太郎・金子寿衛男  1966
  大阪地下の貝
  大阪市立自然史博物館 Nature Study 12巻 9号



2023年度も多くの方々のご訪問戴きありがとうございました
12月度の21日と28日 緊急入院の為 更新が出来ませんでした
申し訳ありません

2024年度も皆様方のご訪問を楽しみにして標本の紹介させて頂きます
新年の第一弾は 1月4日(木)に更新予定です

0569 掲 載 日 2023年 12月14日(木)  
標 本 名  Anadara watanabei (Kanehara)
  アナダラ    ワタナベイ 
産  地  島根県浜田市国分町石見畳ヶ浦
時代 地層  新生代  中期中新世    唐鐘層群 畳ヶ浦砂岩部層
標本写真
 

 




コメント 1981年(昭和56) 8月 12日 ほか  採集   フネガイ科 ワタナベサルボウ

 フネガイ科の最大の特徴は二枚の殻を背部でつなぐ蝶番(ヒンジ)が、多数の小さい歯が前後直線状に並ぶ多歯型構造である。
殻は中型、楕円形、殻頂は前より1/3にあり、小さく突起しかつ内曲する、前背縁・後背縁ともみじかく水平で、腹縁は大きく弧を描き、殻の中央部で膨れる。
 殻表の装飾は 強い放射肋が目立ち28本あり、肋の頂は丸みがなく平らで(板状肋)で、成殻では2分岐し、さらに成長するとそれがさらに2分岐する。 また成長輪脈も成長と共に目立ち、放射肋と交差することにより、放射肋は顆粒になる。 
備 考 引用・参考文献・Webサイト

 都留俊之  1983
    島根県浜田市唐鐘累層産の中期中新世貝化石群集.
    瑞浪市化石博物館研報,10, 41-84.
 
 瀬戸 浩二 山内 靖喜 高安 克己  1999 編著
    石見学ブックレット1
     石見畳ヶ浦が語る   大地の物語
    浜田市教育委員会 発 行  

2023年12月7日は 抗がん剤治療で
入院していたため 更新出来ませんでした。
申し訳ございませんでした。
0568 掲 載 日 2023年 11月30日(木)  
標 本 名  Archaeopus ezoensis (Nagao)
   アーケオパス  エゾエンシス
 Phycoshiphon ゴカイ類の糞痕
   フィコサイフォン
産  地  兵庫県南あわじ市灘吉野
時代 地層  中生代  白亜紀後期  マストリヒチアン階     和泉層群  下灘層 
標本写真







コメント 2001年(平成13) 5月6日  採集  ガンメンガニ属 ガンメンガニ 
                      Phycoshiphon ゴカイ類の糞痕

 
1990年代後半から2000年代初期にかけて、南あわじ市の灘海岸の道路拡幅と防波堤の改修工事が順次施工されていた。
 この工事によって、海岸の礫が大きく動き、埋もれていた大型のアンモナイトやナノナビス等の化石を含む球状コンクリーションが表出してきた。
 ガンメンガニはKarasawa et al. 2019で和名が記載された。下灘層では灘海岸各地の海岸礫に含まれるシルト質泥岩の球状コンクリーション(ノジュール)の中に内包されている。ユウレイガニ科に属し第 1 〜第 3 歩脚は長いが第 4 脚は糸状で、保存されていない場合が多く、保存されていたとしても剖出時に気付かず壊してしまうことが多い。
 またこのガンメンガニを含む球状コンクリーションはフィコサイフォン (Phycosiphon) というゴカイ類の糞痕が含まれている。これらの生痕化石は下灘層や北阿万層の地層中に集中して見られることが良くある。
 フィコサイフォン は枝分かれ形状は持たないが、蛇行形状や斑点形状、直線形状を示すことが多く、チューブ内の堆積物は均質で無構造である。
備 考 引用・参考文献・Webサイト

 ホッピーだより 第287号   2008/10/1     閲覧日 2023年11月24日
   
 むかわ町立穂別博物館 
    http://www.town.mukawa.lg.jp/secure/3641/HoppyNo.287LQ.pdf

 Hiroaki Karasawa, Shingo Kishimoto, Masaaki Ohara, and Yusuke Ando   2019
   Late Cretaceous Decapoda from the Izumi Group of Japan, with descriptions of two new genera and one new species of Axiidea and one new family of Brachyura
   Bulletin of the Mizunami Fossil Museum, no. 45 p.43-85

 岸本眞五 2012  
   淡路島の和泉層群から産出する化石十脚類
   兵庫県立人と自然の博物館  共生のひろば  第7号  31-35

 武田正倫・古田晋平・宮永貴幸・田村昭夫・和田年史   2011
   日本海南西部鳥取沿岸に生息するカニ類
   鳥取県立博物館研究報告
   Bulletin of the Tottori Prefectural Museum 48

 北畠京祐 2019 
   室戸半島層群より産出する生痕化石を用いた深海生物群集の復元
   2019年度 室戸ユネスコ世界ジオパーク学術研究助成事業の採択研究




0567 掲 載 日 2023年 11月23日(木)  
標 本 名  Dosinia angulosa (Philippi)
   ドシニア ・ アングロッサ
産  地  大阪府大阪市北区梅田町 梅田第四ビル建設現場 
                  地下7.5〜10.0m 及び 南港 残土処分埋立地
時代 地層  新生代 第四紀  完新世   梅田層 海成シルト層  
標本写真





コメント 1979年(昭和54) 11月18日・12月9日  採集  ウラカガミガイ

 当時の化石友に大阪市役所の大阪梅田開発チームに籍を置かれている方があり、その方のご尽力でビル工事の現場に入らせていただいて 地下7.5〜10.0mの梅田層海成シルト層から直に産状見ながらという素晴らしい体験もさせて頂き、
尚且つ、一般には現場に入ることのできない南港の残土処分埋立地に許可を戴き採集に入構させて頂いた。
 多くの大阪平野の縄文海進時代の貝類の採集ができ、当時三紀の貝類に興味を持ち始めた私にとって素晴らしい標本が多量に入手出来たことに感謝した。
 これらの経験が 私にとって“化石愛”育っていくもとになっていった。 
備 考 引用・参考文献・Webサイト

 梶山彦太郎・市原実  1972
    大阪平野の発達史
    日本地質学会刊・地質学論集第7号海岸平野  特集.101p.〜112p.

 梶山彦太郎・市原実  1986 
    大阪平野のおいたち
    青木書店 刊行 




0566 掲 載 日 2023年 11月16日(木)  
標 本 名  Cyclina japonica Kamada
   サイクリナ ・ ジャポニカ
産  地  滋賀県甲賀市土山町鮎河  
時代 地層  新生代 新第三紀  中新世中期   鮎河層群 上ノ平層  
標本写真



コメント 1999年(平成11)  9月 5日 採集   マルスダレガイ科 オキシジミ

 Cyclina sp. (マルスダレガイ科 オキシジミ)の仲間は、ビカリアに伴って、これまで訪れた西日本の中新統の地層からは良く産出を見ている。オキシジミは先人の過去の研究論文から、C. japonica, C. takayamai, C. hwabongriensis, C. lunulana 等に分類されている。
 この属の分類ははなはだ困難で、注意が必要、それぞれの産地によって報告のされている名称(学名)を使ってきているが、疑問に思う項目も見られるので再度分類については検討していきたい。
備 考 引用・参考文献・Webサイト

 YASUHIKO KAMADA  1952
    ON SOME SPECIES OF CYCLINA FROM JAPAN AND KOREA
    Trans. Proc. Palawnt. Soc. Japan. N.S., No. 6, pp. 167-173, pl. 15, May 30, 1952.

 中川登美雄・福井県立羽水高等学校自然科学部  2020
    福井県福井市国見町の国見層から産出した前期中新世潮間帯貝化石群集
    瑞浪市化石博物館研究報告 第 47 号, 65?87, 4 pls., 7 figs., 5 table




0565 掲 載 日 2023年 11月 9日(木)  
標 本 名  Poroleda sp. aff. ikebei (Suzuki & Kanehara)
   ポロレダ ・ イケペイ
産  地  長崎県長崎市伊王島町千畳敷
時代 地層  新生代 古第三紀  漸新世前期   伊王島層群 船津層 千畳敷砂岩部層
標本写真





コメント 2013年(平成25) 11月 1日 採集   カゲロウソデガイ

 伊王島層群での化石調査は2013年で5度目になる。前回訪れた時には建設中だった伊王島大橋は2011年3月に供用を開始し、長崎港からの渡船によらなくてもクルマで直に渡島出来るようになっていた。以前島内を徒歩やレンタル自転車で調査していたころを懐かしく思う。

 殻は横長で小型。殻は薄く、殻頂は極端に前方に偏り丸まる。殻頂はほとんど突出せず高まらない。後方は極端に突出、一方前方には後方ほと殻は伸びず後方ほどでないが尖りを持って丸まる。
殻表は平滑で、細かな成長肋が復縁部に平行にある。
 尚、これらの化石を含む千畳敷砂岩部層は細かな砂岩層で、雲母質砂岩と呼ばれ、小さな白雲母の破片を多量に含んでいるためキラキラと輝いている。
備 考 引用・参考文献・Webサイト

 波部忠重 1962
    続原色日本貝類図鑑 昭和52年 重版本  
    保育社刊

 井上英二 1973
    北西九州・唐津炭田の古第三系杵島層の岩相変化と化石群集からみた堆積環境
    地質調査所報告 第245号  

 冨田宰臣・石橋 毅  1990
    北部九州炭田古第三系の地質と化石(概説) 
    九大理研報(地質) 16巻2号 99‐142頁 8-18図版




0564 掲 載 日 2023年 11月 2日(木)  
標 本 名  Mytilus sp.
産  地  三重県津市榊原町安子谷
時代 地層  新生代 新第三紀 中新世中期 一志層群 三ヶ野頁岩砂岩層   
標本写真

コメント 1976年(昭和51)  2月 28日 採集    イガイの仲間

 この仲間は 海底の砂や泥に潜らず(外在型)で足糸出して海底の沈埋木や石に取りついて生活している。ここでは、同様な生活をしていると思えるイタヤガイの仲間も産出している。
 瑞浪層群の瑞浪北中学校敷地造成工事現場や勝田層群の津山市大田では、これらの離弁のものを同様に伴って産出するのを確認している。
備 考 引用・参考文献・Webサイト

 安藤佑介 2018
    瑞浪北中学校敷地造成工事現場(瑞浪市土岐町)に露出した
    下部中新統瑞浪層群明世層から産出した化石
    瑞浪市化石博物館研究報告 第44号 




0563 掲 載 日 2023年 10月26日(木)  
標 本 名  外肛動物(がいこうどうぶつ、学名:Bryozoa または Ectoprocta)
産  地  岡山県津山市東野介代 (押入)
時代 地層  新生代 新第三紀 中新世中期   勝田層群 高倉層 野介代部層  
標本写真

コメント 1980年(昭和55)  9月 26日 採集      コケムシの仲間

 40年以上前 バブル景気(1986-1991)が始まる以前から日本各地で地方都市近郊の丘陵地では大小さまざまな住宅地の開発造成工事が行われていた。 津山市近郊の勝田層群の分布する丘陵地でもあちこちでブルドーザーがうなり音を立てていた。
お陰で、私の化石産地パトロールも忙しく、日曜日だけでの巡見では見逃すところが出るほどでした。
 この産地の造成地も勝田層群の高倉層(野介代部層)の泥岩層が分布しているため、硬い岩盤が出ることもなく簡単な建設重機で容易く造成が進められ、一週間もすれば現場は大きく変化し化石の産状は見えなくなっていることが多かった。
 さて、コケムシについてはまったく理解できていないのですが、体長1 mm にも満たない個虫が集まって群体を作り、水中の岩や貝殻、海藻などの表面に固着して暮らす水棲動物だという程度の理解しかなく、これまで勝田層群でもコケムシではと考えられる物を数種類採集してきたが、まったく同定分類できていない。 
備 考 引用・参考文献・Webサイト

 フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)   閲覧日 2023/10/24

 加戸隆介 編著 /  奥村誠一・広瀬雅人・三宅裕志 著  2021
   三陸の海の無脊椎動物
   株式会社恒星社厚生閣  発行

 公益財団法人 水産無脊椎動物研究所 HP   閲覧日 2023/10/24
   https://www.rimi.or.jp/ 




0562 掲 載 日 2023年 10月19日(木)  
標 本 名  Triassoblatta cf. okafujii Fujiyama
        トリアソブラッタ オカフジイ      
産  地  山口県美祢市大嶺町平原
時代 地層  中生代  上部三畳系    美祢層群  桃ノ木層   
標本写真
 

 

スケールのひとメモリは1mm
コメント 1992年(平成4)6月13日  入手   オカフジゴキブリ

 今年(2023)、奈良の遺跡の土からチャバネゴキブリの一部を発見というニュースが話題に上がった。(日本経済新聞2023年10月12日 9:00)  また2年前こんなニュースあった 勝山市北谷町にある約1億2千万年前(白亜紀前期)の「手取層群北谷層」から発見されたゴキブリの化石5種類のうち、3種を新種と特定したと明らかにした。
 これらのニュースから山口県美祢のゴキブリ化石を伊佐セメント砕石工場に呉の新宅さん(2007年5月没)の案内で美祢の石田英夫・野原政典さん達の見学採集に同行させて頂いた時に同氏らからお土産として頂いたものがあるのを思い出して久々に引出してきて眺めている。
備 考 引用・参考文献・Webサイト

 高橋文雄・石田英夫・野原政典・土井英二・谷口俊司  1997
    中生代三畳紀後期美祢層群産の昆虫化石について
    美祢市歴史民俗資料館調査研究報告,13,1‐27

 大山 望・湯川弘一・今井拓哉  2021
    福井県の下部白亜系北谷層から産出した新しいゴキブリ化石群集(英文)
    Palaeontographica Abteilung A: Palaeozoology ? Stratigraphy
    福井県立恐竜博物館 HP 参照

 大山 望・湯川 弘一・前田 晴良 2020
    日本産中生代昆虫化石 : とくに上部三畳系美祢層群産昆虫化石の位置づけについて
    BULLETIN OF THE MINE CITY MUSEUM ,YAMAGUCHI PREFECTURE, JAPAN. 33, pp.1-13,  




0561 掲 載 日 2023年 10月12日(木)  
標 本 名  Telescopium cf. schencki (Hatai & Nisiyama)
        テレスコピュム ・ シェンキイ      
産  地  岡山県勝田郡奈義町柿 現奈義ビカリアミュウジアム敷地内
時代 地層  新生代  新第三紀  中新世中期   勝田層群 吉野層  
標本写真
  
コメント 1995年(平成7) 11月 3日 採集   ムカシセンニンガイ

 1980年代初頭 現在奈義ビカリアミュージアムがある場所が大きく造成され、大規模な鶏舎が造られた。
工事でビカリアを始めとした多くの貝類化石が産出し 田口 1981他で報告されたことで知ることになった。その後鶏舎が設営されたことによって、この産地は立入禁止となり、 1995年に鶏舎が何らかの原因で撤退することになり、鳥小屋がすべて撤去され造成工事当時の化石を含む泥岩層が足元一体に再度現れた。 このうわさが化石マニアの間に広まるのは早かった。 多くのマニアが毎日のように全国から採集におとずれた。 この年の暮れにはこの産地も採集禁止措置がとられた。これは奈義町がビカリア等の化石の余りにもの人気を知り、ここに博物館類似施設を作る計画となった。
備 考 引用・参考文献・Webサイト

 田口栄次  1981
    岡山県勝田層群からのGeloinaおよびTelescopiumを含む貝化石群集
    ―特に 本邦中新世における汽水性貝類の帯状分布について(英文)
    瑞浪市化石博物館研究報告 第8号 p.7-20 pl.2-8




0560 掲 載 日 2023年 10月5日(木)  
標 本 名  Menkrawia ishiiana (Yokoyama)
       メンクラウィア・イシイアナ     
産  地  岡山県新見市西方堀越
時代 地層  新生代  新第三紀  中新世中期   備北層群 下部砂岩層(是松層)
標本写真
コメント 1980年(昭和55) 3月 30日 採集  

 当時、備北層群で初めてVicaryella 属を採取できた露頭が新見市のこの場所である。
西方(旧辻田)の小さな谷あいで住宅地の造成工事が行われていて、造成地には多くの巻貝・二枚貝・スナモグリ等の保存の良いものがいたるところに転がっていて、採取し放題の状態という場に出くわした。
 ところで田口ほか1979を参考に訪れ、採取標本の同定資料として使用し、掲載も Vicaryella bacula として最近まで使用してきた。 
 2010年代以降 研究者の間でVicaryella属の分類について新たな研究が進み、当初 V. tyosenica を中心とする仲間をこれまでウミニナ科とされていたものをカニモリ科 (Cerithiidae) に含め、また、備北層群の V. bacula V. ishiiana とされ、V. ishiiana V. notoensis の仲間を Beets(1941) が新属として定義しウミニナ科の Menkrawia 属に更新された。
備 考 引用・参考文献・Webサイト

 高橋宏和  2020
    Vicaryella属の再検
    筑波大学附属駒場論集60集

 田口栄次・小野直子・岡本和夫 1979
    岡山県新見市および大佐町における中新世備北層群の貝化石群集
    瑞浪市化石博物館研究報告 第6号 p1-15

 Takashi Matsubara  2011
    Miocene shallow marine molluscs from the Hokutan Group in the Tajima area, Hyogo Prefecture, southwest Japan
    Bulletin of the Mizunami Fossil Museum, no. 37, p. 51?113, 9 pls., 2 fi gs., 1
 

い出の化石(12)

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