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週に一度 想い出の化石として標本展示室に
あげていない標本を紹介していきます。


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0133 掲 載 日 2015年4月16日
標 本 名 Siphonalia sp.
産  地 福岡県北九州市小倉北区馬島
時代 地層 新生代 古第三紀後期漸新世  芦屋層群 陣ノ原層
標本写真  
コメント 1998(平成10)年5月3日 採集    エゾバイ科

 この標本は 馬島のGlycymeris密集層中から得られたもので、殻は消失している。
5層の螺層が保存され、螺層には微かに螺肋は見られるが成長の縦肋はない。
下記の参考文献にあるTromonina japonica (Takeda)に似るが、螺層の肩の結節跡が見られることからエゾバイ科のSiphonalia sp.と思える
備  考 参考文献
1990 富田宰臣・石橋毅
 北部九州炭田古第三系の地質と化石(概説) 九州大学理学部研究報告 第16巻第2号




0132 掲 載 日 2015年4月9日
標 本 名 Marginatia toriyamai Yanagida
産  地 山口県美祢市伊佐町 宇部興産伊佐セメント工場内
時代 地層 古生代石炭紀  秋吉石灰岩層群 Pseudostaffella antiqua帯
標本写真

コメント 1992(平成4)年6月14日採集
 ストロホメナ目 ブロダクタス亜目 バクストニデー科
伊佐の石灰岩には多くの腕足類が見られ、この日の採集でも数種類が得られた。
 写真のマージナティアは 殻頂部が横にズレて、後縁部は大きく欠損しているが、殻表の特徴は良く残さている。殻表の表面には密な放射状のスジがあり 後端部には弱いシワが見られる。
備  考 参考文献
 山口県の古生物 ━古生代━  山口県立山口博物館 1985年7月発行




0131 掲 載 日 2015年4月2日
標 本 名 Cidaris sp.   キダリス属の仲間のトゲ
産  地 兵庫県南あわじ市灘地野
時代 地層 中生代 後期白亜紀 マストリヒチアン階   和泉層群 下灘層
標本写真
コメント 2015(平成27)年2月22日採集  
ウニ綱 Echinoidea オウサマウニ目 Cidaroida オウサマウニ科 Cidaridae
キダリス類は、石炭紀から現在まで生息し、太いこん棒状や楕円形また球形のトゲを持っている。
 例えば和歌山の由良町の門前・四国の鳥の巣石灰岩など ジュラ紀のものが余りにも有名だが、白亜紀の後期の地層にも少ないが産出は知られている。
 北海道では 稚内や新冠町等で産出が知られているようで、和歌山の外和泉層群からも棘ではなく本体の一部が産出している。
 私自身 淡路島の和泉層群からは、下灘層の3か所で産出を確認している。
備  考 参考・引用文献
1997 HAYAKAWA Hiroshi , HOSHI Toshiyuki
Occurrence of unknown Cidaridae from the Upper Cretaceous of Niikappu, Hokkaido
Bulletin of the Mikasa City Museum, Natural Science no.1




0130 掲 載 日 2015年3月26日
標 本 名 Crinoidea  ウミユリ綱
産  地 岡山県井原市芳井町上鴫日南
時代 地層 古生代 前期石炭紀       日南石灰岩層
標本写真

コメント 1981(昭和56年)3月15日入手      ウミユリ  クリノイドの仲間

ウミユリ綱は棘皮動物門の下位分類群のひとつで、ウミユリやウミシダと呼ばれる海洋性の生物が属する群である。現生では浅海から6,000メートル級の深海まで広く分布する。(ウィキペディアより引用)
日南石灰岩は,北側の二畳系芳井層群(吉村,1961) と南側の下部三畳系成羽層群に挟まれて、標高約450m の石灰岩台地を形成している
このウミユリが赤色を帯びているのは、接触していた火成岩類の鉄分の影響で、赤くなったものと云われています。
備  考 参考・引用文献
藤本 睦 1996 『岡山県大賀地域の石灰岩層と非石灰岩層の層序および地質構造発達史』
広島大学総合科学部紀要IV理系編、第22 巻
梅田凌一路 1996 『芳井町日南の化石』 ― 日南石灰岩層の古生代石炭紀の化石 ― (自費出版物)




0129 掲 載 日 2015年3月19日
標 本 名 Monoddixodina matsubaishi (Fujimoto)
産  地 岩手県陸前高田市矢作町飯森
時代 地層 古生代 ペルム紀 中期        叶倉層
標本写真



コメント 2007(平成19)年5月4日採集
    松葉石
 過去 フズリナ化石の研究と云えば化石層位学的研究に焦点があてられていましたが、最近では化石化作用段階(タフォノミー)の研究やフズリナ自体の生態にまで その研究対象は広がっている。
1956年に藤本治義によってParafusulina matsubaishiとして記載された『松葉石』は砂岩などの層理面や断面に松葉を敷き詰めた様な状態から名付けられた。
備  考 引用・参考資料
猪郷久義・安達修子 2006  『フズリナ化石のBiostratinomy』




0128 掲 載 日 2015年3月12日
標 本 名 Myriophyllum spicatum L.
産  地 群馬県甘楽郡南牧村 (兜岩?)
時代 地層 新生代新第三紀鮮新世     本宿層 (兜岩層?)
標本写真

コメント 1986(昭和61)年頃 石友より入手
    アリノトウグサ科 ホザキノフサモ キンギョ藻の仲間
コーティングとして使用した木工ボンドが濃すぎて、撮影のライトで標本にテカりが出てしまった。
カルデラの淡水湖に静かに堆積したシルト質の火山灰層の本宿層 保存の良い植物を多く含んていて、時折昆虫化石も産出しているようだ。
兵庫県の同じく鮮新世の照来層群の“海上”の産状と全く同じであることは大変興味深い。
備  考 引用・参考資料

下仁田ジオパーク 地学講座(和田晴美)
2014年4月20日日曜日 投稿記事  “下仁田の化石 その2”  

佐藤興平 “荒船山の火山岩のK-Ar年代と本宿カルデラの火山活動史における意義”
群馬県立自然史博物館研究報告(9):11−27, 2005 11




0127 掲 載 日 2015年3月5日
標 本 名 Pseudolimea naumanni (Kobayashi & Ichikawa)
産  地 兵庫県宍粟市一宮町千町
時代 地層 中生代三畳紀 後期カーニアン階   千町層  (難波江層群N2相当層)
標本写真


コメント 2007(平成19)年4月8日 採集
 ミノガイの仲間   シュードリメア属
掲載標本は圧力を受け縦長に変形している。 殻表には18本前後の放射肋が明瞭に見られまた二次肋もある。 殻頂には耳部の広がりがある。難波江層群でも数多く産出している。
この種は当初はLima naumanniと記載されたが Pseudolimea属に変更されている。
備  考 引用・参考資料
2005.11 『日本の三畳紀の貝化石など』 サンゴ化石研究会 別冊≪16≫平田泰祥




0126 掲 載 日 2015年2月26日
標 本 名 Liracassis japonica (Yokoyama)
産  地 富山県富山市八尾町葛原(つざら)
時代 地層 新生代新第三紀 中期中新世   黒瀬谷層
標本写真

コメント 1994(平成6)年8月14日 採集
         トウカムリガイ科  ムカシウラシマガイ
 ムカシウラシマガイは 北但層群また勝田層群や備北層群からも産出が知られていが これらは、それぞれの堆積域の海が深くなった頃の地層から見られる。また出雲地方の布志名層からも保存の良い物を採取しているが、これらは冷水域が広がった海域の堆積物と考えられいる。
備  考 参考資料
産業技術総合研究所 地質標本館 古生物標本データベース




0125 掲 載 日 2015年2月19日
標 本 名 Apiotrigonia (Apiotrigonia) minor (Yabe & Nagao)
産  地 熊本県上天草市龍ヶ岳町高戸 椚島
時代 地層 中生代後期白亜紀 (サントニアン〜カンパニアン)  姫浦層群 下部亜層群樋の島層
標本写真





コメント 1987(昭和62)年1月1日  採集

椚島の東海岸での採集品  三角貝類は殻の装飾は多種多様で変化に富みこれらの特徴で分類されている。 また三角貝の共通の要素の一つは 殻の噛み合わせ部に特徴的な歯あることで、細かな棚状の刻みがあるハの字型の2本の大きな主歯を持っている。しかし歯の構造を見るのは剖出技術の問題もあり中々難しい。
また、三角貝の殻の構造の名称で他の二枚貝類にはないエスカッチョン・エリア・カリナと呼ばれる部位の特徴を見ることが分類には必要となる。
備  考 引用・参考資料
田代正之1992 「化石図鑑」 ―日本の中生代白亜紀二枚貝―
田代正之1997 天草の地質と化石 ―人類以前の天草諸島(1)―




0124 掲 載 日 2015年2月12日
標 本 名 Zamiophyllum buchianum (Ettingshausen)
産  地 和歌山県有田郡湯浅町 端崎
時代 地層 中生代 前期白亜紀    湯浅層
標本写真

コメント 1977(昭和52)年3月6日採集  ザミオフィラム  ソテツ目

当時 栖原の漁港から端崎を回って湯浅港への海岸は今の様な道路はなく自然のままの白亜紀前期の地層がみられる崖が連続していました。 
このソテツの仲間の化石は ある層準に集中して多産したものです。今ではその場所も道路によってわからなくなりました。
なお、ここでは2007年に和歌山県立自然博物館の研究員によって恐竜(カルノサウルス類?の一種)の歯が発見されました。
備  考 参考資料
 東北大学総合学術博物館 古生物標本(IGPS)データベース




0123 掲 載 日 2015年2月5日
標 本 名 Entemnotrochus shikamai Kanie
産  地 千葉県安房郡鋸南町元名
時代 地層 新生代新第三紀中新世後期  安房層群(あわそうぐん)天津層 千畑礫岩層
標本写真






コメント 1985(昭和60)年頃 石友より入手   シカマオキナエビス

1973年にシカマオキナエビスとして記載されたが、下記論文の 1993年になってリュウグウオキナエビスとしての亜種記載がある。 掲載標本の判別はできない。
この元名の地層は以前鮮新世とされていたが、近年では中新世後期とするのが妥当とされている。
 ところでオキナエビス云えば 先日(1/30〜2./1)の豊橋市自然史博物館で行われた日本古生物学会第164回例会で 安里・加瀬ほかで金生山の“Pleurotomariayokoyamai Hayasaka の分類学的再検討した結果 “Pyokoyamai は切れ込みの特徴と臍孔の形からEotomaria 科の新属とするという発表があった。新属名は現在時点は決めていないとのこと
備  考 参考・引用文献
小泉 斉 1993  On the Second Specimen of Entemnotrochus rumphii shikamai Kanie (late Miocene) from the Nokogiri-yama, Boso Peninsula




0122 掲 載 日 2015年1月29日
標 本 名 Cystauletes kingi Igo, Igo and Adachi
産  地 岐阜県高山市奥飛騨温泉郷福地 尾添(おそぶ)谷
時代 地層 古生代前期ペルム紀   水屋ヶ谷層群     
標本写真

コメント 昭和52年(1977年) 7月28日採集
 シスタウレテス   カイメン類
 オソブ谷の転石から採集 天然記念物として保護されている一ノ谷の奥に水屋ヶ谷という沢がある、この沢にはこの福地では最も上位のペルム紀前期の地層が現れており、おそらくこの掲載標本もここから流出してきたものだと思う。
中空状の構造を持ったカイメンで、1988年に新種として記載された。
備  考 参考・引用文献
2005 福地の化石 山腰 悟さんのコレクション 福地の化石刊行会
1988 飛騨山地一の谷層産のペルム紀カイメン化石 猪郷 久義・猪郷 久治・安達 修子




0121 掲 載 日 2015年1月22日
標 本 名 Bisatoceras cf. akiyoshiense Nishida
産  地 新潟県糸魚川市青海
時代 地層 古生代石炭紀中期    青海石灰岩層群      
標本写真



コメント 1987(昭和62)年10月10日採集    頭足類 ビサットセラス科

秋吉石灰岩層群から報告されているものとよく似ている。
殻形は幼殻では亜球形に近く 小さなボール状で 成殻になるにつれて厚円盤形になる。殻表面には装飾は見られず平滑で、ヘソは閉じている。
備  考 参考・引用資料
1985 山口県立山口博物館 『山口県の古生物』―古生代―




0120 掲 載 日 2015年1月11日
標 本 名 1.上左図 Terebralia palustris (Linnaeus)キバウミニナ
2.上右図 Telescopium telescopium (Linnaeus)
センニンガイ
3.下左図 Vicarya yokoyamai Takeyama
4.下右図 Telescopium schenki Hatai and Nishiyama
産  地 1 沖縄県八重山郡竹富町(西表島) ナダラ川 河口
2 フィリピン (田口栄次氏よりの頂き物)
3 岡山県津山市皿 皿川 河床
4 岡山県勝田郡奈義町柿   
時代 地層 1,2. 現生
3,4. 新生代新第三紀 中期中新世  勝田層群 吉野層      
標本写真



コメント キバウミニナ
1996年3月24日採集
 現場にて数時間キバウミニナの摂食活動を観察する。(マングローブの落葉を直接摂餌するか、それらが分解された沈積デトリタスを摂餌する)
センニンガイ
2013年9月5日  田口栄次氏よりの頂き物
 殻の表面の装飾は殻口部を除き溶けている。
 (八重山諸島では数百年位前までは生息していたとされ、江戸時代の貝塚からは殻が多く見られるとのこと)
ヨコヤマビカリア
2014年10月19日採集    非常に保存が良い物  
ムカシセンニンガイ?
 採集年月日不詳  扁平に押し潰されている。 勝田層群からはまれに産出する。
備  考 お詫び
12日から数日間留守にしますので1月15日(木)の定期掲載はできません。




0119 掲 載 日 2015年1月8日
標 本 名 Atrina sp.
産  地 富山県富山市八尾町葛原(つざら)    
時代 地層 新生代新第三紀 中期中新世  八尾層群*1 黒瀬谷層      
標本写真
 

コメント 1994(平成6)年8月14日 採集
     ハボウキガイ科 Pinnidae   タイラギ属 Atrina
 大きな三角形、殻頂は前端にあり尖っている。 :現生種Atrina pectinataでは殻の表面に細かい鱗片状突起のある型(有鱗型)と、鱗片状突起がなくて殻の表面の平滑な型(無鱗型)の2型が存在する。掲載標本は腹縁部のほとんどが失われており、殻表面はなく鱗片の存在は確認できず 内部の真珠層が残っている。

*1: 1950年頃このあたりの中新世が注目され研究されていたころは、“八尾層群”と呼ばれていたが最近では使用しなくなった。(八尾町教育委員会編1998 化石の宝庫やつおまち ワクワク化石教室より)
備  考 参考資料
富山県[立山博物館] 1997年 7月 特別企画展 『富山に生息したいきものたち−日本海の歴史』 解説書 ━黒瀬谷の貝化石━   P8,P34  PL2 Fig. 15




0118 掲 載 日 2015年1月1日
標 本 名 Pseudoliva cf. japonica (Nagao)
産  地 長崎県西海市崎戸町蛎浦郷西中戸
時代 地層 新生代古第三紀 前期漸新世  西彼杵層群 蛎浦(カキノウラ)層
標本写真





コメント 1997(平成9)年5月10日 採集

 現在、この大島や崎戸島には西彼杵半島の大田和港あたりから道路橋がかかり、九州本土からたやすく渡ることができるが、この当時は佐世保から渡船を利用するしか渡島手段はなかった。
九州西海岸地域に分布する始新世から前期漸新世の地層には多くの炭層を挟んでいることから採炭産業が華やかしき時代があった。この島も過っては炭鉱の島として多くの人々が生活していた。
 これらの炭田の含まれる前期漸新世の地層からは多くの貝化石を産し、海岸露頭では容易くそれらを得ることができる。
備  考 参考文献
Eocene Megafossils from Ishigaki-shima Ryukyu-retto
By F. STEARNS MAcNEIL
GEOLOGY AND PALEONTOLOGY OF ISHIGAKI-SHIMA, RYUKYTJ-RETTO

GEOLOGICAL SURVEY PROFESSIONAL PAPER 399-B
Mo Husks and a new subfamily of clypeasteroid
echinoids are recorded from the Miyara Formation
of Ishigaki-shima, a formation which previously
has y i elded only For am in if era
UNITED

UNITED STATES GOVERNMENT PRINTING OFFICE, WASHINGTON : 1964




0117 掲 載 日 2014年12月25日
標 本 名 Beringius hobetsuensis (Matsui)
産  地 和歌山県西牟婁郡串本町田並
時代 地層 新生代 新第三紀 前期中新世 熊野層群  下里層(最下部層) 
標本写真



コメント 2006(平成18)年9月10日   Sa氏より頂く         ホベツネジボラ

 田並の田の崎東の海岸露頭からは貝化石の殻が金属鉱物に置き換わった(置換化石)を多産することが知られており、多くの研究者やマニアの訪問が絶えない。
 写真下は 殻の一部が黄銅鉱に置換され金色に光っている。黒色部分が閃亜鉛鉱と思える。

 また、串本町田子や中平見の海岸、また掲載化石ホベツネジボラの産地の田の崎などで見られる牟婁層群の礫岩層の礫にはオーソコーツァイトという石英の粒のみでできた丸い礫が含まれている。オーソコーツァイトは、大陸の砂漠のようなようなところでできた砂が堆積したもので、南の方から運ばれてきたとされ、これらから紀州四万十帯団体研究グループが1970年に提唱した、牟婁層群が堆積した漸新世の末期のころ、その南に陸地(黒潮古陸)があったという説がある。
備  考 参考資料
 特集 「紀伊半島の地質と温泉」アーバン クボタ38 1999




0116 掲 載 日 2014年12月18日
標 本 名 Turritella kiiensis Yokoyama
産  地 兵庫県養父市関宮八木谷大鍋
時代 地層 新生代新第三紀中新世中期    北但層群 豊岡層
標本写真

コメント 1980(昭和55)年7月20日  採集            キイキリガイダマシ

 和田山在住のアマチュア研究家Ku氏の案内ではじめてこの地に採集に入り、その後現在でも度々調査に入っている。
 この産地にはキイキリガイダマシが砂礫岩層の中に20〜30pの層をなした化石床が観られ、殻頂方向を一定方向にそろえた状態が観察でき、堆積した当時の水の流れが示唆できる。
 尚、礫岩層の化石は往々にして、分離が悪く、剖出は困難で、良質な標本を得るのは難しい。
備  考 参考文献
 2011 Takashi Matsubara   
   Miocene shallow marine molluscs from the Hokutan Group in the Tajima area, Hyogo
   Prefecture, southwest Japan
 1982 兵庫県養父郡関宮町教育委員会
   兵庫県養父郡関宮町八木谷化石調査 (一般国道9号除雪拡幅工事に伴う化石調査報告書)




0115 掲 載 日 2014年12月11日
標 本 名 Echinolampas yoshiwarai de Loriol
産  地 千葉県安房郡鋸南町元名
時代 地層 新生代新第三紀中新世後期  安房層群(あわそうぐん)天津層 千畑礫岩層
標本写真

コメント 1985(昭和60)年頃 石友より入手
      ヨシワラマンジュウウニ
 Echinolampas yoshiwaraiは 特に関東地方の後期中新世〜鮮新世の地層から数多く産出が報告されています。
    以下は 多摩六都科学館 『化石 News Letter』No.13 2008年度夏号より抜粋引用
 この化石は千葉県富津市金谷で最初に発見されたマンジュウウニ属(Echinolampas)の新種として、Loriolによって1902年(明治35年)にyoshiwaraiの種名が付けられて報告されました。この種名は日本の現生・化石ウニ類研究の創始者で、吉原(徳永)重康博士に献名されものです。
備  考




0114 掲 載 日 2014年12月4日
標 本 名 Epitonium (Boreoscala) angulatosimile Otuka
産  地 石川県 羽咋郡志賀町 笹波
時代 地層 新生代新第三紀中期中新世 関野鼻石灰質砂岩層
標本写真



コメント 2013(平成25)年8月3日  採集
  トウベイヤチイトカケガイ
 過去(0091 2014/6/26)に紹介した八尾のナガミネイトカケガイ(Epitonium (Boreoscala) nagaminensis OTUKA)に全体的なフォルムは似ているが、縦肋は薄板状で螺層から鋭く立ち上がっている。螺層には螺肋は見られず平滑である。
現生種のヤエバイトカケガイ(Elegantiscala rugosa Kuroda)の様な螺層の肩の張りはなく、板状縦肋には鋸歯状の棘はない。
備  考 参考資料
 新版『石川の化石』 松浦信臣 北國新聞社刊 2009年3月




0113 掲 載 日 2014年11月27日
標 本 名 Thracia kakumana (Yokoyama)
産  地 石川県金沢市大桑町 大桑貝殻橋 直下(下流側)  犀川河床
時代 地層 新生代第四紀 前期更新世    大桑層(おんまそう)
標本写真



コメント 2013(平成25)年8月4日採集      スエモノガイ

 殻は 卵円形で膨らみはほどほどで、大型で薄く,脆い。殻頂から後端にかけて鈍角が走り、前端は丸いが後端は直角に裁断状となり、殻表は成長線を除きほぼ平滑。ホ歯を欠き、歯が抜けたように見える
備  考 参考資料
 日本古生物標本横断データベース
 東京大学総合研究博物館データベース




0112 掲 載 日 2014年11月20日
標 本 名 Batillaria sp.
産  地 福岡県北九州市小倉北区馬島
時代 地層 新生代 古第三紀後期漸新世  芦屋層群 陣ノ原層
標本写真



コメント 写真上 2008(平成20)年10月12日 写真下 2013(平成25)年5月1日 採集

ウミニナの仲間

保存の良い標本の採集はできていないが、馬島では時々グリキメリス(キッシュウタマキガイ)の密集層の中に見られることがある。
 山口県豊北町肥中鍋島の日置層群から産出するBatillaria takeharai Mizunoに比べ殻の大きさは大きくまた螺層の結節もはっきりしイボ状である。 また体層間の縫合部はハッキリとした線が見られる。体層の結節の上下にはそれぞれ3〜4本の輪脈がある。
 次回 この馬島に訪れる時には 是非とも良好な標本を手にしたい。
備  考




0111 掲 載 日 2014年11月13日
標 本 名 Turritella kiiensis Yokoyama
産  地 岡山県勝田郡奈義町中島東福元
時代 地層 新生代新第三紀中期中新世  勝田層群 吉野層  
標本写真

コメント 1992(平成4)年4月13日  採集

 奈義町はビカリヤの産出で有名ですが、ツリテラを多産する露頭が何ヶ所か現れたこともあった。ここに紹介する産地も、小さな造成工事によってできた露頭で、工事が始まった当初は地権者も快く採集をさせて下さったが、5月の連休明けに、地権者に挨拶に行くと、けんもほろろに断られた。多分連休間に心無いマニアが工事現場を荒らしていったのでは・・・・・・。
 その後、この露頭への入口には化石採集等の侵入者があれば警察に通報するとの注意書の立て看板が立てられた。
備  考




0110 掲 載 日 2014年11月6日
標 本 名 @Solen (Solenarius) sp.
ACultellus izumoensis Yokoyama
産  地 岐阜県瑞浪市明世町戸狩 瑞浪市市民公園内 (へそ山)
時代 地層 新生代新第三紀中期中新世    瑞浪層群 明世層 戸狩部層
標本写真
@

A
コメント 1983(昭和58)年8月14日  採集
 @ マテガイの仲間      A イズモユキノアシタガイ

 当時、瑞浪市化石博物館のすぐ横のヘソ山から東方の谷(現在瑞浪市民公園として供されている付近)は開発工事が始まったばかりで工事中の露頭表面には各種の貝類が白く浮き上がって見えていた。
母岩中の化石の殻は良く保存されているのですが、母岩からそのままの状態で取り出すのは殻そのものが脆く良い標本は中々得難い。
備  考 参考資料
1980 瑞浪市化石博物館専報 第1号 瑞浪地域の地質  及び 付 2万5千分の1 地質図




0109 掲 載 日 2014年10月30日
標 本 名 Estheria sp.
産  地 山口県長門市日置(黄波戸)
時代 地層 中生代前期白亜紀   脇野亜層群相当層
標本写真

コメント 1991(平成4)年4月  石友より頂き物
エステリアの仲間
 現在のカイエビの祖先です。現生のカイエビは、5〜7月ころの水田に生息しており、キチン質の透明〜半透明の2枚の殻に包まれた体長5〜10mmの甲殻類です。
 神田(じんでん)小学校の南西方向にある小さな崖では、前期白亜紀の頁岩層が露出しており多くのエステリアを含んでいる。
 岡山県の山地産のものと比べ殻の径は一回り小ぶりだと思われます。
備  考 参考資料
 築地書館刊  日曜の地学-12  『山口の地質をめぐって』 山口地学会編  




0108 掲 載 日 2014年10月23日
標 本 名 Eupachydiscus haradai (Jimbo)
産  地 熊本県上天草市龍ヶ岳町高戸 椚島
時代 地層 中生代後期白亜紀 (サントニアン〜カンパニアン)  姫浦層群 下部亜層群樋の島層
標本写真

コメント 1991(平成3)年1月1日  採集

椚島の丘の上にある上天草市龍ヶ岳グラウンドの用地造成工事によって多くの化石が産出したようで、この標本は工事によって海岸に押し出された泥質頁岩からの産出で、扁平に押しつぶされている。天草の姫浦層群からは普通に観られるアンモナイトとされている。
備  考




0107 掲 載 日 2014年10月16日
標 本 名 Eubostrychoceras elongatum (Whiteaves)
産  地 和歌山県有田郡有田川町(旧金屋町)中井原 (鳥屋城山西側山麓・金屋中学校東) 
時代 地層 中生代後期白亜紀  外和泉層群  鳥屋城層
標本写真
 

 

コメント 1978(昭和53)年2月11日  採集
 個体変異が大きく数年前まではBostrychoceras ? sp.とされていたアンモナイト

 36年前に採集したものです。当時の金屋町鳥屋城山麓はミカンの栽培が最盛期で“有田ミカン”として全国に出荷されていた。これに伴って新たなミカン畑の造成も白亜紀後期の鳥屋城層の分布する地域でもあちこちで見られ、この新たな造成地には、風化が進んだノジュールに多くの化石が観られた。特に頭足類では、このユーボストリコセラス属が多く、ポキポキと折れた状態で多数の個体が一つのノジュールに含まれていることが多い。この様に巻き上がって残されているものは少ない。

 今年(2014年)の6月の九州大学で開催された古生物学会のシンポジウムで聴講させていただいた、北九州市立自然史・歴史博物館の御前明洋先生の講演で、このEubostrychoceras elongatum (Whiteaves)の巻方向についてのお話があり、鳥屋城層の下部カンパニアン階から産出するE. elongatum には,左巻きと右巻きの二型が存在するとのことで、複数の層準でE. elongatum の採集を行い,産出層準と巻き方向について検討した結果、本種は下位の層準ではほとんどが左巻き個体であるが、上位ほど右巻き個体の割合が大きくなることが明らかになったとのことです。
備  考




0106 掲 載 日 2014年10月9日
標 本 名 Archaeopus ezoensis (Nagao)
産  地 @ 大阪府泉佐野市上之郷滝の池
A 大阪府泉南市新家 昭和池(市立青少年の森 東の沢)
時代 地層 中生代後期白亜紀  和泉層群 畦の谷層相当層
標本写真
@

A
コメント @  1983(昭和58)年1月2日  採集
A  1982(昭和57)年11月14日採集
ユウレイガニの仲間

 この仲間は淡路島や大阪の和泉層群では良く見るカニですが、なかなか良品を得ることは難しい、これらの標本はノジュール中からの産出ですが、Aの標本は二枚貝類の破片が多く含んだ中に産出したもので、化石化する前から甲羅はすでに壊れていたようです。
備  考




0105 掲 載 日 2014年10月2日
標 本 名 Glycymeris cisshuensis Makiyama @とA
Glycymeris nagaoi Matsukuma  B
産  地 @ 山口県下関市西山町 彦島
A 福岡県北九州市小倉北区 馬島
B 福岡県北九州市小倉北区 藍の島
時代 地層 新生代古第三紀後期漸新世  芦屋層群 陣ノ原層ほか
標本写真
@

A

B

コメント  @ 1983(昭和58)年4月30日 採集
 A 1998(平成10)年5月3日 採集
 B 2008(平成20)年10月13日 採集

グリキメリス(キッシュウタマキガイ)は芦屋動物群を代表する二枚貝類で、彦島・馬島・藍の島など、これらの化石が海岸露頭に夥しい量が含まれた化石床(層)が観られる。
殻が厚く保存は良いが 露頭表面に出ているものは概して殻表面は溶けているものが殆んどである。また殻は離弁がほとんどだか、まれに合弁(殻)の物も観られる。
尚、種名の cisshuensisはの語源は現・北朝鮮の吉州の地名に由来する。
備  考 参照
OK元学芸員のこだわりデータファイル   http://blog.goo.ne.jp/okayoshi610creta




0104 掲 載 日 2014年9月25日
標 本 名 Aturia yokoyamai Nagao
産  地 長崎県長崎市伊王島町千畳敷
時代 地層 新生代古第三紀前期漸新世  伊王島層群 船津層
標本写真





コメント 2013(平成25)年10月31日 採集
   オウムガイ類
 
 伊王島町の沖ノ島の畦海岸は後期始新世の馬込層・沖ノ島層が分布し Eutrephoceras や,Aturia等のオウムガイがこれまで数多く産出し報告されています。
 今回初めて伊王島町の千畳敷海岸の前期漸新世の船津層で採取しました。
掲載の標本は海岸の岩間にほぼこの状態で落ちていました。
この日は 同じ海岸の露頭であと二つのオウムガイ類を採集しています。その一つはいずれ紹介させていただきますが、ほとんど潰れのない長径28cm厚さ13cm重量およそ11kgの大物です。
備  考




0103 掲 載 日 2014年9月18日
標 本 名 Dosinia (Phacosoma) chikuzenensis (Nagao)
産  地 山口県下関市西山町 (彦島)
時代 地層 新生代古第三紀後期漸新世  芦屋層群 陣ノ原層 
標本写真

コメント 1983(昭和58)年4月29日採集
  カガミガイの仲間
この種は この時代の日本各地の地層から報告があり、良く知られている。
 殻は中型で丸く、後背縁は緩いカーブで腹縁へつながる。 殻頂は中央より前方に少し偏る。
成長輪脈は規則的な間隔で入る高まりの強い輪脈と細かな輪脈が特徴的である。
殻内面の前後の肉柱痕は貝殻の大きさならすれば少し大きく、はっきりと認められ、外套線から鋭く楔上に深く入り込んだ弯入線が見られる。
備  考




0102 掲 載 日 2014年9月11日
標 本 名 @ Jouannetia cumingii (Sowerby)
A Penitella sp.
産  地 岐阜県瑞浪市日吉町宿洞
時代 地層 新生代新第三紀中期中新世  瑞浪層群 明世層 宿洞泥岩層
標本写真
@

A
コメント 1983(昭和58)年8月14日採集
    穿孔貝の仲間  @ スズガイ     A カモメガイ
 宿洞(しゅくぼら)地区を流れる小さな川岸のシルト質泥岩層からの産出で、一般的に穿孔貝の仲間は沈埋木や石 それに大型のカキの殻などに穿孔して生活していると云われています。
ここ宿洞の露頭で観られたのは、穿孔貝の砂管が地層の層理面に垂直に見られ、良くしまったシルト質の泥岩層を直接穿孔していたと思える産状を示していました。
備  考




0101 掲 載 日 2014年9月4日
標 本 名 Lucinoma acutilineatum (Conrad) *注1
産  地 富山県富山市八尾町葛原(つざら)    北緯36度34分24.56秒  東経137度10分34.1秒
時代 地層 新生代新第三紀中期中新世   黒瀬谷層
標本写真


コメント 1994(平成6)年8月14日 採集
  オキノツキガイモドキ(ツキガイ科)
 オウナガイ(Conchocele sp.)と共に化学合成群集(*注2)の代表的な二枚貝類
葛原の露頭では、固結度の弱い礫岩層から多種の貝化石が密集し産しますが、それらは化学合成群集とは限らない種の産出がほとんどである。 このオキノツキガイモドキは離弁での産出である。

*注1 学名についてネット検索すると種名のacutilineatumですが現生種のacutilineataとされている文献も多い
*注2 化学合成群集とは? ロバート・ジェンキンズ氏(金沢大学古生物研究室助教)のHP より
http://www.geocities.co.jp/NatureLand/6956/chemowhat/chemowhat.html
備  考
参考資料

富山県[立山博物館] 1997年 7月 特別企画展 『富山に生息したいきものたち−日本海の歴史』 解説書 ━黒瀬谷の貝化石━   P11,P46  PL8 Figs. 13a,b




0100 掲 載 日 2014年8月28日
標 本 名 Tanimasanoria japonica Kase
産  地 大阪府泉佐野市上之郷新池
時代 地層 中生代後期白亜紀  和泉層群 下部亜層群 畦ノ谷層
標本写真


コメント 1982(昭和57)年8月15日 採集

 新池は 先週(0099)で紹介した滝の池の東にある池で、産地の露頭は ゴルフ場内にある。
礫層を挟んだ泥岩層が露出しており、巻貝・二枚貝等 保存の良いものを多く産出した。
この化石は当初“Taniella”として記載されたものでしたが、1990年の記載論文ができる前 加瀬先生と標本提供者の方たちとの話の中で“Tania”で検討されたこともあったようです。後になってからすでに“Taniella”はタマガイ科一種に使われることがわかり現在の“Tanimasanoria ”に改められました。勿論この名前は 大阪の和泉層群で長年活動されていた谷氏にちなんで名付けられたものです。
備  考 参考資料
Kase, T. (1990). Late Cretaceous gastropods from the Izumi group of southwest Japan.
Journal of Paleontology. 64, 563-578.




0099 掲 載 日 2014年8月21日
標 本 名 腕足類    (学名 不詳)
産  地 大阪府泉佐野市上之郷滝の池
時代 地層 中生代後期白亜紀  和泉層群 下部亜層群 畦ノ谷層
標本写真





コメント 1983(昭和58)年1月2日 採集

大阪の和泉層群の中でも有名な化石産地 “滝の池”での採集品
ノジュール中に含まれいて潰れがほとんどない保存の良いものだが殻自体の保存は良くない。
滝の池の放水口の下に広がる泥岩層には、これまで多くの保存の良いアンモナイトの産出報告がある。たとえばCanadoceras taniiなどもここで採取されている。
備  考 参考資料
Late Cretaceous Ammonites from the Izumi Mountains, Southwest Japan (和泉山脈産の後期白亜紀アンモナイト)  松本達郎・両角芳郎   大阪市立自然史博物館研究報告 第33号 1980




0098 掲 載 日 2014年8月14日
標 本 名 Daonella sp.
産  地 高知県高岡郡佐川町蔵法院
時代 地層 中生代中期三畳紀    蔵法院層群 蔵法院層
標本写真

コメント 1978(昭和53)年8月20日 採集

 京都地学の貸し切りバスでの巡検(参加者30名)での採集品
現場の土石採掘場は、もともと黒色の砂岩層が風化が進んで黄褐色のに変色した露頭で、採掘は数年前まで行われていたようで、足元の小さく割れた転石から化石を含む石を捜すのですが前日の雨の為、また30名もの大勢が歩いた跡は風化土がたちまち泥となり 石の表面は泥だらけ、化石を見つけるのは困難、30分ほどの見学時間内に、かろうじてこの標本一個を得ただけです。
下記資料によると ここではDaonellaD.kotoi 他4種ほど報告されているようです。
備  考 参考資料
京都地学会会誌 32 (1979) p51-63
    第253回例会報告 四国地学巡検




0097 掲 載 日 2014年8月7日
標 本 名 モササウルス(Mosasaurus)類の椎骨
産地 兵庫県洲本市由良町
時代 地層 中生代 後期白亜紀    和泉層群  北阿万層
標本写真



コメント 2012(平成24)年12月9日 採集

 淡路島の和泉層群からはモササウルス類の部分骨の産出は西淡層・北阿万層・下灘層の各地層から産出は知られている。 私自身も西淡層の木場海岸、北阿万層の内田、明田、下灘層の山本などで椎骨を得ている。
 最も産出が多く知られているのは、下灘層の地野海岸、大川海岸などで、椎骨のほか 歯の化石の報告が多い。
備  考




0096 掲 載 日 2014年7月31日
標 本 名 Paraschwagerina ambigua (Deperet)
産   地 岐阜県大垣市赤坂町金生山
時代 地層 古生代ペルム紀    赤坂石灰岩層
標本写真


コメント 1970(昭和45)年8月16日 採集

 化石を自身の手で採集しはじめてまだ10年が経たない頃の標本で、この頃は、興味津々でどんな化石にも触手が動き、片っ端からリックに放り込んで持ち帰っていました。
 ここ金生山は 足元の岩すべてが何がしかの化石を含んでいるので、現場では興奮状態での採集だったことを思い起こします。
 この当時、専門の先生方の間ではフズリナ化石の研究がほぼ終盤期の頃で、すでに多くの報告がなされていました。訳の分からないまま、猪郷久義先生等の啓蒙書的なものを眺めては、読めもしない学名をメモルなどして楽しんでいたものです。
備  考




0095 掲 載 日 2014年7月24日
標 本 名 Nummulites boninensis Hanzawa
産   地 東京都小笠原村母島評議平御幸の浜
時代 地層 新生代古第三紀中期始新世  元地層
標本写真





コメント 1970年頃に入手

貨幣石(ヌンムリテス)(Nummulites)は、アメーバなどと同じ原生動物の単細胞生物で中新世のミォジプシナやオバキュリナ等の有孔虫類の仲間

 以下は 『母島の地質フィールドガイド (2010)』金沢大学地球学教室
    http://earth.s.kanazawa-u.ac.jp/~umino/Bonin/Bonin_Field_Guide.html  より抜粋引用

 御幸之浜の海岸の崖には円盤型の貨幣石の化石を沢山含んだ砂岩−レキ岩層がでています。
母島の貨幣石は100年以上も前から産出が知られた大型の底生有孔虫です。有孔虫には海面付近で浮遊生活をするものと,海底に住みつくものがありますが,貨幣石は後者です。同じ貨幣石でも直径数cmにもなる平らな円盤型のものと,小さなソロバン玉型のものがあります。ソロバン球型のものは小型ですが,初房が大きいので顕球型(大球形),大型の円盤状のものは初房が小さいので,微球型(小球形)と呼ばれます。顕球型は有性世代で,成長すると2個体が合体して配偶子を放出します。
また,種類によっては合体することなく配偶子を放出します。2つの配偶子が合体すると微球型が発生します。微球型は無性世代で,核の染色体数が顕球型の倍あります。微球型の核分裂によって顕球型(有性世代)が生まれます。
このように有孔虫は有性世代と無性世代が交互に入れ替わりながら繁殖する単細胞動物です。

備  考 参考資料
 『小笠原諸島の地質ガイド』 海野 進 2004
     http://earth.s.kanazawa-u.ac.jp/~umino/Bonin/BoninFieldguide.pdf
 『小笠原自然情報センター』
     http://ogasawara-info.jp/index.html
 『世界遺産一覧表記載推薦書(案) 小笠原諸島』 2009-08-27
   http://www.bunka.go.jp/bunkashingikai/sekaibunkaisan/17/pdf/shiryo_3_2.pdf




0094 掲 載 日 2014年7月17日
標 本 名 Palaeopharus maizurensis Kobayashi & Ichikawa
産   地 兵庫県宍粟市一宮町千町
時代 地層 中生代三畳紀 後期カールニア世   千町層  (難波江層群N2相当層)
標本写真
 

 
コメント 2006(平成18)年3月26日・2007(平成19)年4月8日 採集

パラエオファルス属は、過って京都府福知山市夜久野町日置の牧川の川床で採取したことがあったが、兵庫県内では初めてです。
笹の葉状の膨らみのある長い楕円形の殻を持ち、殻頂は極端に前方に寄り前縁側の殻表には成長輪脈と放射肋が観られるが、殻頂から後縁には直線的な肋が目立つ。
尚、掲載標本は殻が溶け去った空洞に樹脂を流し込んで、母岩を除去したもので本来の殻ではありません。また右下の物はキャストに石粉粘土を押し付け型取りしたものに色付けしています。
備  考 参考資料
兵庫県で発見された上部三畳系━弘原海清・清水大吉郎1963 地質学雑誌 第69巻 第816号
日本の三畳紀の貝化石など━平田泰祥2005 (コピー自費出版物)




0093 掲 載 日 2014年7月10日
標 本 名 Temnopleurus toreumaticus (Leske)
産   地 愛知県名古屋市 名古屋港浚渫造成地 東部  (詳細な場所?)
時代 地層 新生代第四紀更新世〜完新世    熱田層〜南陽層
標本写真







コメント 1979(昭和54)年1月3日 採集

サンショウウニの仲間

当時の名古屋港では、海底から吸い上げられた土砂(浚渫土)で新たな“陸地”が次々と現れていました。海浜植物が生えだした新たな“地表”には白く浮き上がった貝殻やコンクリーション化した生物遺骸を含む団塊が数多く転がっていました。もちろん、これらには現生の物も混じっています。
海底に分布すると云われている完新世の南陽層や更新世の熱田層の堆積物も浚渫は行われたと云われていますので、最大10万年近く前のものもあることになります。
備  考 参考資料
掲載した写真の資料




0092 掲 載 日 2014年7月3日
標 本 名 Menkrawia ishiana (Yokoyama)
産   地 岐阜県瑞浪市明世町月吉          
時代 地層 新生代中期中新世  瑞浪層群 月吉層
標本写真

コメント 1983(昭和58)年8月14日 採集

 長年イシイビカリエラVicaryella ishiana (Yokoyama)として親しまれてきた中期中新世を代表する亜熱帯棲の巻貝ですが、2011年に松原尚志先生(現北海道教育大学)によって 再記載され“Menkrawia ”と属名が変わりました。
 詳しくは下記瑞浪市化石博物館研究報告等の資料を参照してください。
備  考 参考資料
Bulletin of the Mizunami Fossil Museum No.1(1974) p.137 Plate 42 figs 5a,5b.
Bulletin of the Mizunami Fossil Museum No.37(2011) p.60-61 Plate 1 figs.17-20
  Takashi Matsubara 2011 Miocene shallow marine molluscs from the Hokutan Group in the Tajima area,Hyogo Prefecture,southwest Japan




0091 掲 載 日 2014年6月26日
標 本 名 Epitonium (Boreoscala) nagaminensis OTUKA
産   地 富山県富山市八尾町葛原(つざら)    北緯36度34分24.56秒  東経137度10分34.1秒
時代 地層 新生代新第三紀中期中新世   黒瀬谷層
標本写真

コメント 1994(平成6)年8月14日 採集

井栗谷あるいは葛原(つざら)と呼ばれている化石産地で、神通川支流の土(ど)川の岸の小さな露頭ですが、ここからは70種近くもの貝化石、またオウム貝(アツリア)などが知られており、保存も良く大変興味を引く産地です。
この掲載標本ナガミネイトカケガイは殻頂は保存されていませんが、6層以上の螺層を持ち螺環のふくらみも大きくて丸い、又太くてしっかりした螺肋もハッキリとし、殻口は円形で、口唇端の殻は厚くて同一平面上にあります。
備  考 参考資料

富山県[立山博物館] 1997年 7月 特別企画展 『富山に生息したいきものたち−日本海の歴史』 解説書 ━黒瀬谷の貝化石━   P27  PL.20 Figs. 6a,b ; 7a,b




0090 掲 載 日 2014年6月19日
標 本 名 Nippononectes sp.
産   地 和歌山県有田郡金屋町中井原(長谷川)
時代 地層 中生代白亜紀後期    外和泉層群 鳥屋城層
標本写真

コメント 1993(平成5)年1月9日 採集

イタヤガイの仲間      殻はなく凸型の標本

 平成になって、以前と比べ鳥屋城山麓地域での新たなミカン園の造成は少なくなっていて、化石を含む露頭が現れるチャンスはほとんどなかったが、この長谷川地区で久々に山肌が現れた。
ここでは、これまで鳥屋城山北鹿では報告のあったDidymoceras awajienseが多産したことで一躍注目が集まり多くのマニアが押し掛けた。
 他には大きく太いバクリテスやナノナビス類を多く見ることができました。
備  考 参考資料
田代正之1992 『化石図鑑』 p106  図版32〜33




0089 掲 載 日 2014年6月12日
標 本 名 Eupachydiscus sp.?
産   地 和歌山県有田川町大字沼谷   (旧清水町)
時代 地層 中生代白亜紀後期 (サントニアン〜カンパニアン)     外和泉層群二川層
標本写真



コメント 1986(昭和61)年頃(?)  採集

 気房部の一部でこの大きさ、住房が残され、巻がすべて保存されていたら、相当大きなアンモナイトだったと思われます。
 この沼谷地域を流れる沼谷川の南東側の雨山から流れでる小さな枝沢での採集品
沢の草陰にこの状態でころんでいました。
また、イノセラ類も長径10数p程度のものが、この当時は普通に観られましたが今ではどうでしょう・・・
備  考 参考資料
URBAN KUBOTA NO.38 16〜19




0088 掲 載 日 2014年6月5日
標 本 名 Pitar matumotoi NAGAO
産   地 長崎県西海市崎戸町蛎浦郷西中戸
時代 地層 新生代古第三紀 漸新世  西彼杵層群 間瀬層
標本写真

コメント 1997(平成9)年5月10日 採集

Pitar属は 漸新世の地層で良く見られる二枚貝である。 
これまで私の採取できた主な産地とその標本は
伊王島層群では Pitar kyushuensis (NAGAO) 牟婁層群では Pitar hataii Natori
芦屋層群では Pitar ashiyaensis Nagaoなどがある。
この Pitar matumotoi NAGAOは 殻頂が前縁に偏り、前縁と後縁とのなす角は直角に近い特徴を示す。
備  考




0087 掲 載 日 2014年5月29日
標 本 名 Conus tokunagai Otuka
産   地 石川県珠洲市三崎町高波海岸
時代 地層 新生代新第三紀中期中新世 東印内層
標本写真

コメント 2008(平成19)年8月14日 採集
トクナガイモガイ
 日本各地の中期中新世の地層から産出は報告されている。

 ここ高波の海岸はほとんどが砂で覆われて、化石が含まれそうな岩肌が見える所はない
 ここを訪れた時、こんな所で化石なんて と思うほどの場所でした。
 ほんの数メートル四方の岩肌が出ている所を見つけ、小一時間の採集で 小さな個体が多かったが二枚貝、巻貝を合わせて10種ほどの貝化石を得た。 
備  考 参考資料
 能登半島東印内層の軟体動物化石群-T; U;V 増田孝一郎 1966-1967




0086 掲 載 日 2014年5月22日
標 本 名 Diplomoceratinae gen.et sp.indet  ディプロモセラス科 属種不明
産   地 愛媛県宇和島市新田町古城山
時代 地層 中生代白亜紀後期 サントニアン世    宇和島層群 古城山層
標本写真


コメント 1978(昭和53)年8月22日 採集

アンキロセラス亜目ディプロモセラス科のアンモナイトは一部の螺環からだけでは分類は難しい。
このサンプルもほんの一部の潰されたものであるが 直線的な肋があり、その肋には疣が見られないことから ディプロモセラス科としている。
備  考




0085 掲 載 日 2014年5月15日
標 本 名 Fortipecten takahashii (Yokoyama)
産   地 北海道雨竜郡沼田町 幌新似太刀別川(ほろにたちべつがわ)
時代 地層 新生代新第三紀鮮新世   深川層群幌加尾白利加層
標本写真







コメント 1978(昭和53)年頃に入手
タカハシホタテ
故中島六郎・勝子ご夫妻からの頂き物
独特の膨らみをもつホタテガイで手に取るとズッシリした重さもあり、大変魅力的な化石です。
 これらの産状を見学したくて、2011年10月北海道旅行に行ったとき、目的地の層雲峡(そううんきょう)へ向かう道中、タカハシホタテが産出するという滝川市の空知川に立ち寄ったが、この年の天候不順で、河川の増水で河床を観ることは叶わなかった。
備  考 参考資料
中島礼 2007 『タカハシホタテってどんな生物』 化石 第81号 P90-98 日本古生物学会




0084 掲 載 日 2014年5月8日
標 本 名 Collinsius sp.?             標本名訂正 2014.6.19
産   地 長崎県長崎市伊王島町伊王島千畳敷
時代 地層 新生代古第三紀前期漸新世    伊王島層群船津層
標本写真




コメント 2013(平成25)年10月31日採集   
コリンズガニ属  (?)  
甲背は平滑で横に長く丸みを帯びた方形で 額域は狭く前方へ突出し浅い中央の溝で2葉に分かれている。。
佐賀県の前期漸新世の杵島層群で産するCollinsius simplex KARASAWAに似る。

伊王島層群船津層 (伊王島千畳敷)からの化石十脚類はこれまで雲母片を多く含みキラキラと輝く細粒砂岩層から稀にスナモグリのツメが見られる程度でしたが、砂岩層に挟まれた層厚数mの黒色泥岩層から小さな(2〜3p以下)ノジュールが数多く見られ、それらに多くの場合短尾類(カニ類)の化石が含まれているのが瑞浪市化石博物館の2011年の調査で発見されいて、今後の報告が待たれます。
尚、2013年の小生の採集は、この瑞浪の2011年の調査を知らずに訪れました。
備  考 参考資料

『西日本の新生代大型甲殻類』柄沢宏明 瑞浪市化石博物館専報 第8号 1997
p61 PL.23,Figs4-6




0083 掲 載 日 2014年5月1日
標 本 名 Monia sp.
産   地 岐阜県瑞浪市松ヶ瀬町 土岐川
時代 地層 新生代新第三紀中期中新世    瑞浪層群明世層戸狩部層
標本写真




コメント 1977(昭和52)年7月29日採集   

ナミマガシワモドキの仲間
当初 殻表の特徴ある粗くて太く波打った放射肋が気になって分類に迷っていたが、
殻の内側をクリーニングしてみて、膨らみの強い薄い左殻の内面中央部に、大きな足糸痕が1つ、小さな筋肉痕が1つあることから本属と判断した。

尚、右殻は採集できなかったが、扁平で、殻頂部には丸孔があり、そこから足糸を出し地物に付着して生活していたようである。
備  考 参考資料
1982 瑞浪市化石博物館専報 第3号-B 




0082 掲 載 日 2014年4月24日
標 本 名 Gervillia (Gervillia) forbesiana d'Orbigny
産   地 和歌山県有田郡湯浅町大字栖原
時代 地層 中生代白亜紀前期バレミアン階    有田層
標本写真

コメント 1979(昭和54)年9月15日採集

掲載の標本は殻頂の尖がった部分は欠けてないが Bakevelliaに似た構造を持つ歯板や靭帯部は見ることができる。また後縁部に緩やかに湾曲して笹の葉状の形状をしており、殻表の装飾もほとんど目立たず、殻頂や靭帯部が見られない場合は、一見して植物化石と間違う。
備  考 参考資料
田代正之(1992) 「化石図鑑」-日本の中生代白亜紀二枚貝- p73,fig.4,p74参照




0081 掲 載 日 2014年4月17日
標 本 名 Rastellum (Arctostrea) carinatum (Lamarck)
産   地 和歌山県有田郡湯浅町大字栖原
時代 地層 中生代白亜紀前期バレミアン階    有田層
標本写真


コメント 2002(平成14)年8月4日採集   ラステラム・カリナータム

殻の噛み合わせ部分が 鰐の歯の様に鋭く尖った凹凸で 独特な形態を示すカキの仲間

この産地では 時々見るが 殻の保存されたものは少ない。
備  考 参考資料
田代正之(1992) 「化石図鑑」-日本の中生代白亜紀二枚貝-  p132, p127参照




0080 掲 載 日 2014年4月10日
標 本 名 Pholadomya sp.
産   地 和歌山県有田郡湯浅町大字栖原
時代 地層 中生代白亜紀前期バレミアン階    有田層
標本写真
 
コメント 1978(昭和53)年2月12日採集

ウミタケモドキ科
 掲載標本は小さな個体ですが、潰れがほとんどなく、このファミリー独特のフォルムを呈している。横長の楕円形で、殻表には疣のある放射肋が目立つ。
 この産地では 有田統を代表するアンモナイトを良く産することで知られており、今でも博物館等のイベントで多くの子供たちが化石採集を楽しんでいる。
備  考




0079 掲 載 日 2014年4月3日
標 本 名 Cancer aff. snbonsugii Imaizumi
産   地 福岡県北九州市小倉北区藍島
時代 地層 新生代古第三紀後期漸新世   芦屋層群山鹿層
標本写真


コメント 2008(平成20)年10月12日採集

イチョウガニの仲間

 港のすぐ南の瀬崎の手前のフジツボ付のキリガイダマシが多産する岩棚での産出。

 保存はあまり良くないが 芦屋層群ではじめて採取したカニの甲背。
 
備  考 参考資料
勝田層群のイチョウガニ
http://pravito.web.fc2.com/sk.coll-photo2/SK.coll-0275.htm




0078 掲 載 日 2014年3月27日
標 本 名 Linthia nipponica Yoshiwara ムカシブンブク
産   地 石川県金沢市大桑町 大桑貝殻橋下流  犀川河床
時代 地層 新生代第四紀 前期更新世    大桑層(おんまそう)
標本写真


コメント 2013(平成25)年8月4日採集

 貝化石をはじめ色々な化石をたやすく採集することができる河川の露頭です。
この日の目的は ムカシブンブクです。 前日の大雨による増水で河川の岸辺べが削られて新鮮な岩肌が現れ、ウニ化石は素晴らしい保存状況で露頭表面にあちこちに見えていました。

左:反口側  花紋(側歩帯)・周花帯線・頂上系には3個の生殖孔まで観えています。
右:口側   赤矢印は肛門側 口の唇板の反りまで保存されている。

備  考 参考資料
大桑層巡検案内書. 北村晃寿(静岡大学理学部地球科学教室)
http://homepage3.nifty.com/a-kitamura/Jyunken.pdf




0077 掲 載 日 2014年3月20日
標 本 名 Aphrocallistes sp.  アフロカリステス属の一種
産   地 和歌山県東牟婁郡串本町須賀の浜
時代 地層 新生代新第三紀中新世前期  熊野層群植松層
標本写真

コメント 1976(昭和51)年7月16日(頂き物)

珪質海綿  タコアシカイメン科

 こういう形の定まらない生き物の化石、普通は母岩から取り出すのは難しいのですが、ここの海岸の干潮時に現れる露頭では、適度な風化でタコの吸盤状の形が分かる興味ある標本です。
備  考 参考資料
甲藤次郎1976 ゆらぐ南紀の玉手箱〜サラシ首ゲテモノ化石黒潮古陸のことなど〜
地質ニュース260 24-35




0076 掲 載 日 2014年3月13日
標 本 名 Tulotomoides japonicus (Nagao) コビワコカタバリタニシ
産   地 滋賀県湖南市三雲 横田橋下流 野洲川河床
時代 地層  新生代第四紀更新世中期-後期          古琵琶湖層群 蒲生層
標本写真

コメント 1998(平成10)年11月1日採集

 タニシ科の化石は古くはジュラ紀からの報告があり、現在では、世界の河川、湖沼の比較的水深の浅い環境で繁栄している腹足類です。
 琵琶湖が南から北へと現在の位置に至る変遷は、大変興味深いものがあります。鮮新世から更新世の400万年にかけて堆積した地層である古琵琶湖層群でのタニシ科は5属8種が知られているようで、ここに紹介したコビワコカタバリタニシは、イガタニシ属と共にカタハリタニシ属は絶滅属で現生種にはいません。またコビワコカタバリタニシは、その殻の特徴ある形態から伊賀層から見つかるサナグカタハリタニシの子孫と考えられています。
備  考 参考資料
URBAN KUBOTA 37 特集 『古琵琶湖とその生物』 20p-31p
-貝類の変遷と固有種の成立- 松岡敬二
http://www.kubota.co.jp/siryou/pr/urban/pdf/37/index.html




0075 掲 載 日 2014年3月6日
標 本 名 高師小僧(たかしこぞう)
産   地 兵庫県明石市大久保町西八木海岸
時代 地層 新生代第四紀更新世後期     大阪層群 明石層 屏風ヶ浦粘土層
標本写真







コメント 1978(昭和53)年6月25日採集

 『明石原人』で有名な西八木海岸での採集物、 当時“原人”についての論争が続いていたころ現場の海岸露頭を見学に行った時の採集です。
またこの海岸では昭和35年(1960)、当時中学生であった紀川晴彦氏がこの海岸の崖からゾウの牙の化石を発見し、昭和41年(1966)には大阪市立自然史博物館が発掘を引き継ぎ、それをもとに初めてアカシゾウ(アケボノゾウ)の全身骨格復元標本がつくられた。
今では この海岸は これらの遺跡公園として整備されている。

たかしこぞう【高師小僧】 は化石と云えるかどうかは別の問題として置いておきますが
≪以下 kotobankより引用≫
 ヨシなどの湿生植物の根のまわりに発達した紡錘形ないし管状の鉄質の形成物で典型的なものは愛知県豊橋市付近の高師原台地に産するので高師小僧の名がある。
湿地の還元的土壌条件下では,水に溶けて動きやすい2価の鉄イオンFe2+が多量存在するが,湿生植物の根のまわりだけは根から酸素が分泌され,また植物が枯死したあとも根の穴を通じて地上から酸素が供給されてFe2+は酸化沈殿する。高師小僧はこうした酸化沈殿が長年続いた結果形成されたものである。 全国的に見ても各地で産出の報告はあり、一部は天然記念物にまで指定されている所がある。
 ここに挙げた標本は 海岸に面した褐色に風化した崖にたくさん見られ たやすく拾えました。
尚 高師小僧を含む層の下位から 海の貝と思える、カガミガイやウミニナの仲間の保存不良なものも見られました。
備  考 参考資料
吉田英一・松岡敬二 2004 『愛知県豊橋市高師原台地から産する「高師小僧」』
名古屋大学博物館報告 20,25-34,2004




0074 掲 載 日 2014年2月27日
標 本 名 写真@ (カズサジカ)
Cervus (Nipponicevus) kazusensis Matsumoto
写真A (カトウキヨマサジカ)

Cervus (Sika) greyi katokiyomasai Sikama and Hasegawa
産   地 愛媛県松山市怒和(ぬわ)島 及び 津和地島北方沖 怒和島水道 海底
時代 地層 新生代第四紀更新世中期〜後期     第二瀬戸内累層群
標本写真
@

A


コメント 広島県呉市の故新宅 正(しんたく まさし) (1930-2007)氏 よりの頂き物

 長年奉職された教職を定年退職されたのを機に、平成3年(1991)に自費出版された『怒和島水道海域海底産出の哺乳動物化石』━「新宅コレクション」の報告と解説━

鹿のツノの形状の特徴(主幹の長さ・分岐数・分岐の角度)は鹿の分類に役立ってる。
写真@ カズサジカ 主幹の長さがカトウキヨマサジカとくらべ長く、第一分岐の角度も少し鋭角である。
写真A カトウキヨマサジカ 主幹の長さが短かく第1分岐角度が大きい。
 中国の中期更新世のグレイ斑ジカの亜種で、ニホンジカの祖先とされる。

このほか ニホンムカシジカ Cervus (Nipponicervus) praenipponicus Shikamaの産出もある。

瀬戸内海海底の更新世(中期〜後期)の地層からは、ナウマンゾウとともに多くのシカ類が産出している。

『新宅1991』は、多くの古代象の臼歯、牙、その他の部位の化石骨、シカ類の化石骨、又、スナメリ類のほぼ完全な形態を残す頭骨等々素晴らしい多くの標本が写真紹介され、また化石骨の各部位を計測し、標本の各々の詳細な比較検討をされおり著者の化石への探求心の強さが感じ取れる素晴らしい報告書である。
備  考




0073 掲 載 日 2014年2月20日
標 本 名 Paratrachyceras sp.
産   地 福井県大飯郡高浜町難波江西三松
時代 地層 中生代 三畳紀後期 カーニアン  難波江層群
標本写真



コメント 2002(平成14)年7月7日採集

 難波江西三松の工事現場は、この年の3年前訪れた時には 大きく崩され大きな岩がゴロゴロと転がっていて、Tosapecten nabaensis Nakazawaなどがたやすく見ることができた。
 2002年には工事も大きく進み、化石の含有層の切り崩しは終了しており、現場では小割りする石もなく、化石を見ることはほとんどなかった。そこで、この時の案内者がこの工事で出た岩屑を集積し仮置きしている所へ連れて行ってくれた。  そこで採取したのが、このアンモナイトです。 
備  考 参考資料
 須内邦夫・前田晴良1986 佐川盆地東縁の鹿児口・大和田地域から得られた三畳紀中・後期アンモナイト

 平田泰祥2005  日本の三畳紀の貝化石など  サンゴ化石研究会 別冊≪16≫ 35p




0072 掲 載 日 2014年2月13日
標 本 名 Palaeoloxodon naumanni ナウマンゾウの臼歯 
産   地 鳴門海峡(播磨灘側) 兵庫県南あわじ市丸山沖 海底  (旧西淡町丸山漁港)
時代 地層 新生代 第四紀 更新世      大阪層群(?)
標本写真

コメント 2008(平成20)年1月5日入手

 旧西淡町木場の漁師S.Uさんより頂いたもので、トウキョウホタテなどの貝類も数点頂いた。
この標本を見ると小さな礫交じりの地層に含まれていたことが分かる。
また貝類も同質の礫質の母岩に含まれており、礫の粒度の違いは見られるが
同一層準からの産出ではないかと思われる。
備  考 参考資料
 中尾賢一2000  地球科学54巻 252-256 (2000)
  『瀬戸内海東部鳴門海峡海底産ナウマンゾウ臼歯化石の特徴』
 南光重毅1996  淡路島の化石 洲本市立淡路文化資料館




0071 掲 載 日 2014年2月6日
標 本 名 Hoploparia natsumiae Karasawa & Ohara & Kato
産   地 和歌山県有田郡湯浅町栖原
時代  地層 中生代白亜紀前期バレミアン階   有田層
標本写真


コメント アカザエビ科のエビの鋏脚です。

“ホプロパリア・ナツミアエ”は2007年当時小学3年生の女児によって発見され、2008年柄沢・小原・加藤の3氏の共同研究でメキシコの学会誌に投稿された論文で新種記載されテレビ等の報道機関で大きく報道されました。
 この報道で改めて自身の標本を確認したら掲載標本の鋏脚を採集していました。
採集年月日はハッキリしませんが多分1980年代前半と思います。
備考 参考資料
Karasawa ,Ohara , Kato 2008
Boletin de la Sociedad Geologica Mexicana  Bol. Soc. Geol. Mex v.60 n.1 Mexico 2008
Nuevos registros de Crustacea en la Formacion Arida (Cretacico Inferior, Barremiano) de JaponNew records for Crustacea from the Arida Formation (Lower Cretaceous, Barremian) of Japan

和歌山県立自然博物館HP




0070 掲 載 日 2014年1月30日
標 本 名 Thalassina anomala (Herbst)
産   地 写真1 広島県神石高原町油木 宗兼
写真2 鹿児島県熊毛郡南種子町 下中
時代  地層 新生代新第三紀中期中新世 写真1 備北層群神石層下部   写真2  茎永層群河内層
標本写真
写真1

写真2

コメント 写真1
1977年10月と1981年3月に広島県油木町の西川功氏の指導案内でで成羽町地頭・日名畑の成羽層群それに広島県庄原・油木町花済・枝立・陰地・飯之越等々の備北層群の産地を案内して頂いた。
その時にお土産に頂いたのが、当時未記載であったオキナワアナジャコのキャスト標本です。

写真2
ビカリア化石の研究家北尾氏に頂いたもので種子島産出の標本です。体化石で潰れが少ない素晴らしい標本です

これらのオキナワアナジャコは 現生種のThalassina anomala (Herbst)に同定されています。

  アナジャコと云えばカツタアナジャコ(Upogebia striata Karasawa and Kishimoto1996)を柄沢先生に記載して頂いています。
 2012年以降に勝田層群でノジュールに入った素晴らしい保存状況のオキナワアナジャコが発見され、私も数個体採集さ せていただいています。 いずれまた公開させて頂く予定ですがなかなかうまく剖出が進みません。 
備考 参考資料
その1 柄沢・西川1991 日本古生物学会報告・紀事 新篇 (163), 852-860, 1991-09-27
     広島県の中新統備北層群より産したオキナワアナジャコ
     THALASSINA ANOMALA (HERBST, 1804) (THALASSINIDEA : DECAPODA) FROM THE
     MIOCENE  BIHOKU GROUP, SOUTHWEST JAPAN 
その2 柄沢・岸本1996 瑞浪市化石博物館研究報告 23,p.39-50
   




0069 掲 載 日 2014年1月23日
標 本 名 Turritella infralirata Nagao
産   地 北九州市小倉北区藍島本村西方海岸
時代  地層 新生代古第三紀前期漸新世末期   芦屋層群山鹿層相当層
標本写真



コメント 2008(平成20)年10月13日採集

 このアシヤキリガイダマシは 藍島では各所で見ることができます。 掲載の標本は藍島港のすぐ北、島の西海岸(本村)の産出で、これらはGlycymeris nagaoi Matsukuma を中心とした化石床に散在的に含まれて観ることができました。
 このほか 港のすぐ近く南の瀬崎の手前の岩棚には、潮位が下がれば、ほとんどの個体にフジツボが付着(下の写真)している状態のキリガイダマシが多く観えています。

尚、岡崎美彦先生によると芦屋層群からはT. karatsuensis という肋の少ないものと、名前のついていないT. (Corpospira) sp.という小型で肋が一本しかない、まるで木ネジのような種類の、3種類を産するとのことです。

 
備考




0068 掲 載 日 2014年1月16日
標 本 名 Cladophlebis haiburnensis (Lindley et Hotton)  シダ類の仲間
Baiera elegans Oishi    イチョウの仲間
産   地 岡山県高梁市(旧 川上郡成羽町) 成羽町上日名 日名畑
時代  地層 中生代 後期三畳紀   成羽層群日名畑層
標本写真



コメント 1974(昭和49)年5月6日採集

化石を趣味として初めて10年目を迎えたこの1970年代は、難波江・地頭・日名畑と成羽の化石を求めて頻繁に訪れていたが、この頃は同行する化石仲間もなく単独行動が多かった。産地や化石の情報も、高校時代の恩師から得たものがほとんどで、新鮮な情報は得難い状況でした。
しかし何とか産地の一人歩きができるようになって、同好の友とも化石の話が何とかできるようになり、友人から友人へと諸先輩との交流がなんとかできはじめた頃です。
この後どんどん“化石”へ、その深みにはまり込んでいきました。
備考 参考資料
『成羽の化石』Fossil from the Nariwa District  研究シリーズ第一輯 1969
成羽地学同好会 平松英志著 (昭和44年改訂版)


湯川弘一・寺田和雄・孫 革・鈴木茂之
上部三畳系成羽層群における日本最古の化石林の発見 ―堆積環境復元および古植生復元における意義―
OKAYAMA University Earth Science Reports, Vol.19, No.1, 25-37, (2012)





0067 掲 載 日 2014年1月9日
標 本 名 Pseudophillipsia spatulifera Kobayashi & Hamadaの尻尾
産   地 岩手県陸前高田市矢作町飯森
時代  地層 古生代ペルム紀 叶倉層
標本写真


コメント 2007(平成19)年5月4日採集

私にとって初めての東北巡検 大阪伊丹から岩手花巻空港 空の旅 現地ではレンタカーでの移動
適切な案内者の指導があり シュードフィリプシア・スパチュリフェラの尻尾ばかりであったが8個体も採取できた。
この産地へは県道から離れ林道に入るのだが 産地までは車は入れず途中で下車し 沢沿いに徒歩での巡検
道中 腕足・コケムシ・松葉石 等の良品があちこちに露出していてあれもこれもと目移りし 先行する案内者からドントン遅れてしまい、目的の露頭にたどり着いた時には リックはほぼ満杯の状態・・・・・・
これからが本番というのに石割をセーブせねばならない状況だった。
この様な素晴らしいフィールドがいまだに存在することに驚きを覚えました。
備考




0066 掲 載 日 2014年1月2日
標 本 名 昆虫化石 ゴキブリ目 の翅
産   地 山口県美祢市大嶺町 平原
時代  地層 中生代三畳紀          美祢層群 桃の木層
標本写真



コメント 1992(平成4)年6月13日入手

 広島県呉市のS宅氏(2007/5没
)のお世話で美祢市のN田氏を紹介され 伊佐の採石場内で見学採集をさせていただいたときに譲り受けたものです。

これらの昆虫化石が産出した当時、日本で最も古い時代の昆虫化石とマスコミ等で騒がれ注目されたものです。
ゴキブリ類のほか産出の報告のあるものはコウチュウ類・セミの仲間・トンボ類等があるようです。

備考 参考資料
鮎沢潤 1991 三畳系美祢層群の含昆虫化石層の層序と堆積
   リンク先 →
 http://www.kmnh.jp/publication/ronbun_pdf/10-91-J-Aizawa.pdf


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