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週に一度 想い出の化石として標本を紹介していきます。


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0362 掲 載 日 2019年9月26日
標 本 名  Hemiaster sp.
  
ヘミアスター 属
  Anisomyon problematicus Nagao & Otatume

   アニソマイオン プロブレマチカス
   
産  地  兵庫県洲本市由良町 
時代 地層  中生代 白亜紀後期 マーストリヒチアン階    和泉層群 北阿万層 
標本写真

コメント 2014年(平成26年) 5月25日  採集     ブンブクウニの仲間

 笠形巻貝のアニソマイオンの殻をシェルターにする様な産状のブンプクウニ、このウニの仲間は非常に多くの細く短い棘を持っており、毛でおおわれているように見えます。
 これらは普通海底の砂や泥に潜って移動しながら生活・採餌しており、掲載標本の様な産状の意味するところを推察してみるのも、大変興味深いと思う。
備 考 引用・参考文献

 田中啓策 1984   本邦産白亜紀ウニ化石
                  地質調査所月報 第35巻 第9号 P.389-417
 金沢謙一 1989    ブンブクウニ類の殻の外形と潜行様式
                   日本 ベ ン トス研 究 会 誌,35/36:69-74,




0361 掲 載 日 2019年9月19日
標 本 名  Carcinoplax antiqua (Ristori)
   カーチノプラックス アンティクァ (リストリイ)
産  地  岡山県津山市二宮 戸島川・吉井川合流部河床
時代 地層  新生代 新第三紀 中新世中期     勝田層群 吉野層
標本写真



コメント 2013年(平成25年) 8月21日  採集     ムカシエンコウガニ

 日本各地の前・中期中新世から良く知られる種であり、ここ勝田層群でも数多く産出していて、ビカリア(Vicarya yokoyamai Takeyama)が生活していたとされる河口のマングローブ湿地に堆積した泥質砂岩層からはほとんど見られず、河口から海に出た前浜と思える環境に堆積した砂岩層からの産出が目立つ。
備 考 引用・参考文献
 柄沢宏明・岸本眞五1996  岡山県の勝田層群産中新世十脚甲殻類
                    瑞浪市化石博物館研究報告 23,p.39-50




0360 掲 載 日 2019年9月12日
標 本 名  Spiriferina sp.
   スピリフェリナ 属
産  地  福井県大飯郡高浜町難波江西三松
時代 地層  中生代 三畳紀後期   カーニアン階    難波江層群  N2 層 (下部砂岩層)
標本写真

コメント 1999年(平成11年) 5月9日  採集   腕足類  (Brachiopoda)

 これらを産出する地層は“舞鶴帯”と呼ばれ、古生代ペルム系の舞鶴層群、また中生代三畳系の難波江層群・夜久野層群・御祓山層群・“千町層”・福本層群などの地層群からなり、特に難波江層群は、イタヤガイ科の初期グループの一つTosapecten nabaensis を多産したことでよく知られて、小型の二枚貝類のイタヤガイ科の Chlamys mojsisovicsi やミノガイ科のLimaPseudolimanaumanni などの化石は,片殻で密集して産出することが多く、Spiriferina sp. はこれらに伴って産出すが この産地の砂岩層から産出するものはそのほとんどがキャストで殻が残されたものはない。
 尚、“舞鶴帯”の研究を長年されてきた中沢圭二京都大学名誉教授は本年2019年1月15日にご逝去されました(97歳)。(日本地質学会メールマガジン配信)
備 考 引用・参考文献
 中沢圭二 1957  上部三畳系難波江層群の化石帯と佐川期細分の検討:舞鶴地帯の層序と構造その3
           地学団体研究会 地球科学 第31号 p.16-27 




0359 掲 載 日 2019年9月5日
標 本 名  Nippononectes sp.
   ニポノネクティス 属
産  地  兵庫県洲本市由良町
時代 地層  中生代 白亜紀後期 マーストリヒチアン階    和泉層群 北阿万層
標本写真



コメント 2014年(平成26年) 6月15日  採集   イタヤガイの仲間

 殻の外形はChlamys sp. に似る。 下記の資料の田代1992によると殻表には多くの放射状肋があり、その肋間にその放射状肋と斜交する細かな逆V形の無数の微小なキザミ(筋)をもっている。
 Nippononectes sp.は同図鑑には白亜紀後期のカンパニアン階後期からセノマニアン階にかけて報告があるようで 今回掲載したものは、カンパニアン階後期のNippononectes tamurai tamurai (Tashiro) と対比できるものと考えられるが、放射肋の本数が今回掲載の方が多いと思え、また殻の大きさも格段に大きい。
  参考資料 想い出の化石(3) 掲載 0090 掲載日 2014年6月19日
備 考 引用・参考文献
 田代正之 1992 「化石図鑑」日本の中生代白亜紀二枚貝   (自費出版本) p106-110 ., p118-119




0358 掲 載 日 2019年8月29日
標 本 名  Yoldia (Yoldia) cf. laudabilis Yokoyama
   ヨルディア(ヨルディア) cf. ラウダビリス 
産  地  福岡県北九州市小倉北区藍島 千畳敷
時代 地層  新生代 古第三紀 漸新世    芦屋層群 山鹿層
標本写真



コメント 2008年(平成20年) 10月11日  採集  クルミガイ目 シワロウバイ超科 ロウバイガイ科

 ソデガイの仲間は腹足類と二枚貝類にその名を持つ貝類がある。 巻貝のほうはスイショウガイ科の総称で、ソデボラ類とも呼ばれる。代表的なものに ヒメゴホウラ (Strombus sinuatus) 等がある。
 二枚貝類のソデガイはロウバイガイ科の仲間で殻が扁平で前方が丸く、後方が背側に反った形状で Yoldia sp. ほか Portlandia sp. ,Saccella sp. 等が知られている。これらは キララガイ (Acila sp,) などと共にヒンジ部の構造は櫛の歯形状のキザミを持っている。
備 考 引用・参考文献
 富田宰臣・石橋毅 1990 北部九州炭田古第三系の地質と化石(概説) 
                  九州大学理学部研究報告 第16巻第2号 




0357 掲 載 日 2019年8月22日
標 本 名  Calyptraea sp.
    カリプトレェア 属
産  地  広島県三次市布野町大判
時代 地層  新生代 新第三紀 中新世中期    備北層群 下部砂岩層
標本写真





コメント 2016年(平成28年) 8月20日 ほか採集   Calyptraeidae カリバガサガイ科 狩場笠貝

 カサガイと云えばマツバガイ(Cellana sp.)が良く知られている。この仲間は潮間帯の岩礁に付着して生活しているツタノハガイ科に属している。 マツバガイは形状が放射状に入った赤褐色帯がマツの葉が広がる様子に似ることに由来し、老成個体では殻高が高く、殻も厚くなる。殻口は前方が狭まる楕円形で、殻頂も前方に偏る。
 今回紹介するこの種は エゾフネガイ等を含むカリバガサガイ科に属し、現生種(Calyptraea yokoyamai Kuroda in Fujita)では水深20-300m 他の大型の貝殻や堆積物などに付着して生活しているとされている。 殻厚はマツバガイに比べ薄く、殻頂の偏りも少ない。殻口はほぼ円形。殻表には多数の放射状の肋がある。尚これらの標本もアツガキ Crassostrea gravitesta に伴って産出した。
備 考 引用・参考文献
 ウィキペディア ほか




0356 掲 載 日 2019年8月15日
標 本 名  Conocardium japonicum Nishiyama
    コノカーディウム  ジャポニカム
産  地  新潟県糸魚川市大字青海
時代 地層  古生代 石炭紀中期    青海石灰岩層群
標本写真







コメント 1987(昭和62)年10月10日採集   コノカーディウム目コノカーディウム科

 当時九州大学の西田民雄先生が1968年に秋吉石灰岩層群から産出した標本によって二枚貝類として記載されたが、1972年に吻殻綱が提唱され、二枚貝綱から外された。
以下 ウィキペディア より引用
 吻殻綱(ふんかくこう Rostroconchia)は、軟体動物門の絶滅した綱である。別名偽二枚貝。
 外見は一見、二枚貝に似ているが、貝殻は2枚ではなく1枚が C 字型に折れ曲がっている。つながった側が背で、左右が腹側に向かって曲がっている。接合部は可動せず、貝殻は開閉しない。二枚貝が単板類から進化する途上の形態をとどめているとする説もある。 カンブリア紀前期に出現しペルム紀末に絶滅した、つまり、古生代全期間に棲息した。オルドビス紀前期に最も繁栄したが、中期に二枚貝が繁栄すると、吻殻類は衰退し始めた。
 原始的なリベイリア目 Ribeirioida と派生的なコノカーディウム目 Conocardioida に分類される。イシリニア目 Ischyrinioida を加える説もある。
 古くは、リベイリア目は甲殻類の背甲と思われ、またコノカーディウム目は二枚貝綱に分類されていた。
備 考  引用・参考文献
 TAMIO NISHIDA 1968  A NEW SPECIES OF CONOCARDIUM FROM THE CARBONIFEROUS OF AKIYOSHI
                 (MOLLUSCAN PALEONTOLOGY OF THE AKIYOSHI LIMESTONE GROUP-I)
          Trans. Proc. Palaeont. Soc. Japan, N. S., No. 69, pp. 207-210. pl. 23, April 25.
 山口県立山口博物館 1985  山口県の古生物 ━古生代━ 軟体動物(腹足類・二枚貝類など) P.105-120
 佐々木猛智. 2010   吻殻類. In: 日本古生物学会(編). 古生物学事典. p.422. 朝倉書店, 東京.




0355 掲 載 日 2019年8月8日
標 本 名  Capulus sp.
    カプルス 属
産  地  兵庫県洲本市由良町
時代 地層  中生代 白亜紀後期 マストリヒチアン階  和泉層群 北阿万層
標本写真






コメント 標本1  2010(平成22)年8月13日 採集
標本2  2017(平成29)年6月18日 採集         カサガイ類 (笠形巻貝) 

 この産地の笠形巻貝と云えば Anisomyon problematicus Nagao & Otatume を普通に産し良く知られている。これは大型で10cm前後のものまで見る。 ここに紹介するカサガイ類は1pあるいはそれに満たない大きさで、成貝ではなく稚貝の可能性が大きい。
標本2は殻頂から輪肋が見られることから、A. problematicus の稚貝に対比できる可能性があるが、標本1は殻頂からは3〜4本の放射肋があり前種とは別の種と思われる。
尚、A. problematicus Gigantocapulus problematicus として呼ばれることもある。
備 考  引用・参考文献
                   ━




0354 掲 載 日 2019年8月1日
標 本 名  現生のアカヒトデ属(Certonardoa sp.) に似る
                            ケートナァドア
産  地  兵庫県南あわじ市灘地野
時代 地層  中生代 白亜紀後期 マストリヒチアン階  和泉層群 下灘層
標本写真

コメント 2015(平成27)年4月10日 採集    ホウキボシ科

 ヒトデ化石に関して研究は少なく ことに白亜紀のヒトデに関してはほとんど見ない。
この地の海岸では、植物の葉を密集して挟んでいる層準の中にヒトデ本体は溶け去ってはいるが、ヒトデ化石を見ることがある。
 随分以前になるが、海岸の崖が台風による大雨で大きく崩れたことがあり、その後、礫浜の海岸には、白色砂岩の中に炭化し黒く層をなして植物の遺体が含まれる転石が良く観られるようになった。 その植物の堆積面にこれらのヒトデ化石が多量に見つかった。
しかし その産出層の厚さは数10cmしかなかったようで、多くの同好の友の度重なる採集で2年程度で、それらの転石は割つくされたと思われ、今では見る機会はない。 また、この層準からはウミユリの産出も知られている。
備 考  引用・参考文献
                    ━




0353 掲 載 日 2019年7月25日
標 本 名  Orectospira sp.
    オレクトスピラ 
産  地  岡山県津山市大田  宮川河床
時代 地層  新生代 新第三紀 中新世中期  勝田層群 高倉層(野介代層) 
標本写真

コメント 2008(平成20)年5月18日 採集    ウラウズカニモリガイ科  

 産出層準は勝田層群の最も海進が進み海が深くなっていった頃のシルト質泥岩層から産出したもので、両標本共に扁平押しつぶされているが、螺塔は高く 螺層の肩は張り高まり、水管も延びていた痕跡が両標本とも見られる。 右の標本は螺層の肩に顆粒が並ぶび、O. shimokawarai に対比できる。 左の標本には肩の顆粒が見られないことから別種ではないかと考える。
備 考 引用・参考文献

 続原色日本貝類図鑑 (波部図鑑) 保育社 p.24 第11図版
 群馬県立自然史博物館 HP 研究活動 収蔵庫情報




0352 掲 載 日 2019年7月18日
標 本 名  Crenomytilus grayanus Dunker
     クレノミチルス・グライアヌス
産  地  岐阜県瑞浪市土岐町天徳
時代 地層  新生代 新第三紀 中新世中期  瑞浪層群 明世層 山之内部層 
標本写真








コメント 2016(平成28)年10月27日 採集       イガイ科    エゾイガイ属

 Mytilus属はイガイ、エゾイガイ、ムラサキイガイ等の3種に分類されることが多いが、ムラサキイガイを除いて、これらの生息場所は比較的低温海水域で、オホーツク海などが生息地として知られる。  また海底谷などの深みで低温の海水がとどこうりやすい環境にも生活していて、 殻質が厚く、大型で殻長が20cm近くになるものがあり、繊維状のタンパク質「足糸」を殻の蝶番付近からだし、海底の埋積物や他物に取り付いて海底の砂や泥には潜らず生活しているようだ。
 下図に掲載している現生の標本は1978(昭和53)年5月4日、明石海峡沖での “海底のゾウ狩り”の底曳網に入ってきたもので、標本の保存処理と保管方法が悪く乾燥収縮を起こし殻われたり、殻皮が痛んでいる。
備 考 引用・参考文献
 安藤祐介・糸魚川淳二 2018  瑞浪北中学校敷地造成工事現場に露出した明世層中のCrenomytilus (エゾイガイ) 密集部から産出した貝化石
        瑞浪市化石博物館研究報告 第44号  特別号  p.13-24




0351 掲 載 日 2019年7月11日
標 本 名  Neverita (Glossaulax) didyma (Roding)
     ネベリタ (グロソラックス) ディディマ
産  地  愛知県名古屋市 名古屋港浚渫造成地 東部  (詳細な場所?)
時代 地層  新生代 第四紀 更新世〜完新世    熱田層〜南陽層 
標本写真

コメント 1979(昭和54)年1月3日 採集      タマガイ科 ツメタガイ属
 
 中新世のタマガイ科の巻貝と云えば Euspira meisensis が良く知られているが、今回紹介するツメタガイ属はその螺塔が低く縫合は溝をつくらず滑らかに移行する、体形は半円球で 殻口側は臍孔は大きく深く開き、臍索の臍滑層が成長と共に臍孔を覆うようになる。
Euspira 属と共にこれらのタマガイは肉食性で、他の貝類を自身の肉舌(脚)で覆い包み、殻に丸い穴をあけ餌としている。 また砂茶碗として知られている卵塊を作る。
備 考 引用・参考文献
 間嶋 隆一 1987  日本産ツメタガイ類(腹足綱 : タマガイ科)の分類
              日本貝類学会 VENUS 第46巻第2号、p.57-74




0350 掲 載 日 2019年7月4日
標 本 名  Nanaochlamys notoensis (Yokoyama)
   ナナオクラミス ノトエンシス
産  地  島根県出雲市上塩冶町菅沢
時代 地層  新生代 新第三紀 中新世   出雲層群 大森層
標本写真





コメント 2005(平成17)年5月3日 採集     ナナオニシキ  (ノトキンチャク)

 学名から解かるように能登半島の石川県七尾市藤橋町岩屋の標本から記載され、県指定天然記念物「岩屋化石層」として七尾市小島町の七尾総合市民体育館前に石碑まで建てられている。
 Nanaochlamys notoensis は宮城県仙台市の茂庭層からの産出が良く知られており保存の良いものを多く産出している。
ここ出雲地方ては「斐伊川(ひいかわ)放水路」の開発工事によって大森層が切られ Kotorapecten moniwaensis に伴って保存の良いものを産した。
備 考 引用・参考文献
 坂之上 一 1998  坂之上一貝化石コレクション解説書 出雲地方の貝化石
          島根県環境生活部景観自然課 (財)三瓶フィールドミュージアム財団 (島根県立三瓶自然館) 発刊
 NAOKI HAYASHIDA KAZUSHIGE TANABE 2006
          The mode of life and taxonomic relationship of a Japanese Miocene pectinid bivalve Nanaochlamys notoensis
           Paleontological Research vol.10.no.1 pp.1-10




0349 掲 載 日 2019年6月27日
標 本 名  Nanonavis splendens (Ichikawa & Maeda)
   ナノナビス  スプレンデンス
産  地  兵庫県南あわじ市西淡町内原
時代 地層  中生代 白亜紀後期 カンパニアン後期  和泉層群 西淡層
標本写真



コメント 1982(昭和57)年2月7日 採集  フネガイ目 シコロエガイ科

 殻の解け去った標本、  内原は Pravitoceras sigmoidale の産地として知られおり、この地域の植生が乏しい丘陵地の山肌には風化の進んだ湊泥岩層が広く露出している、過ってはこの風化した泥岩の露頭表面に P.sigmoidale のキャストを良く観たものだが、今では中々観ることは少ないようだ。
この Pravitoceras ゾーン(Morozumi 1985)と呼ばれる層準では P.sigmoidale を除いてほかの軟体動物(Mollusca:モラスカ)の化石を観ることは少ない。 その少ない中でも、Nanonavis sp. は産出が多い方と云える。
 尚、N. splendens は当初 Pleurogrammaton splendens として記載された。
備 考 引用・参考文献
 田代正之 1992 「化石図鑑」日本の中生代白亜紀二枚貝   (自費出版本) p34-40
 田代正之・山本勝吉 1980 本邦産のいわゆるナノナビス(白亜系二枚貝)とその生存期間
                     高知大学学術研究報告 第29巻 自然科学 p1-12




0348 掲 載 日 2019年6月20日
標 本 名  Venericardia subnipponica Nagao
   ベネリカルディア  サブニッポニカ
産  地  福岡県北九州市小倉北区藍島 千畳敷
時代 地層  新生代 古第三紀  後期漸新世   芦屋層群山鹿層
標本写真



コメント 2008(平成20)年10月12日採集  マルスガイ目トマヤガイ科 アシヤフミガイ

 V. subnipponica は長崎・佐賀・福岡・山口県などの沿岸地域の始新世から漸新世後期あるいは前期中新世にかけての海成層の地層、例えば伊王島・西彼杵・杵島・芦屋・日置などの各層群でごく普通に見られ、これらの層群の産出化石を代表する二枚貝ともいえる。 今年3月、北九州市立自然史・歴史博物館 自然史友の会 会誌の特別号「私たちの自然史 自然史資料集 化石研究部会と芦屋層群の化石」が出版されたようで、芦屋層群の産出化石の図版となっているとの事だが、自然史友の会会員外には残念ながら非売品となっている。しかし何とか入手したいものだ。 
備 考 引用・参考資料

 BBIQブログ Presents 九州マイスター  NATURAL HISTORY −化石のはなし−
            (http://maakunz.blog.bbiq.jp/blog/)
      2019年3月10日 (日)の掲載記事




0347 掲 載 日 2019年6月13日
標 本 名  Spiriferida (スピリファー目)の一種   (Neospirifer sp.)
産  地  山口県美祢市伊佐町 宇部興産伊佐セメント工場内
時代 地層  古生代  石炭紀  秋吉石灰岩層群 Pseudostaffella antiqua帯
標本写真



コメント 1992(平成4)年6月14日 採集  腕足類 Brachiopoda  Spiriferida スピリファー目

 茎殻(腹殻)の標本 殻表の装飾は放射状の“すじ”が目立ち、また殻全体の形状は蝶番軸側に延びた横長である。
蝶番軸に直行する対称面は大きく丸ふくれて稜を呈し前方へ丸く広がりながら成長する。殻の前部の両殻が接している線を前部コミッシャー(commissure) と呼ぶが、中央部が丸く盛り上がったパラサルケイトといわれる形状を示している。
備 考 引用・参考資料
 松本達郎編 1974 新版 古生物学 U p316 - p417 (畑井小虎・柳田寿一) 朝倉書店
 山口県立山口博物館 1985  山口県の古生物  ━古生代━  p177 - p212




0346 掲 載 日 2019年6月6日
標 本 名  Periplomya nagaoi brebis Ichikawa & Maeda   
    ペリプロミア  ナガオイ  ブレビス
産  地  大阪府貝塚市蕎原(ソブラ)
時代 地層  中生代 後期白亜紀 カンパニアン  和泉層群 畦ノ谷相当層
標本写真
 
コメント 1978年(昭和53)6月4日  採集

 1970年代の後半頃、大阪の和泉層群の中で最も旬な産地と云われていた地域で、蕎原小学校(現かいづか温泉 ほの字の里)の西の道路がどんどん拡幅改修されていて木積地区の工事が大川・秬谷(キビタニ)方面や大阪府立少年自然の家の造成も始まり、また、仲間内で秋山と呼ばれていた地区では広く伐採が行われ山肌の地層が現れ(現ソーラ発電所)、など畦ノ谷相当層と思える地層をあちこちで切り崩していた。それに蕎原の東方の岸和田市塔原町にも産地が知られており、化石を求めてマニアが多く集まった様である。
備 考 引用・参考資料

 大阪自博 1979  大阪市立自然史博物館 展示解説第5集  大阪の化石  (編集 : 両角芳郎)




0345 掲 載 日 2019年5月30日
標 本 名  Hayamina naumanni (Neumayr)   
    ハヤミナ  ナウマニィ
産  地  徳島県勝浦町立川 アゲノ谷
時代 地層  中生代 前期白亜紀 オーテビリアン  物部川層群 立川層
標本写真






コメント 2010年(平成22)3月28日  採集 1 : 右殻 2 : 同標本の右内殻 3 : ゲロイナ(勝田層群産)の右内殻

 右殻の後縁部から腹縁にかけて大きく破損した標本。 Hayamina naumanni は日本で記載された白亜紀の二枚貝類で最初の貝類で、殻は大型で膨らみは弱く、殻表には成長輪脈があり、殻頂の偏りなどは個体変異が多い。
汽水棲のシジミガイの一種とされ、歯板構造を見てみると、勝田層群のマングローブシジミと云われる Geloina stachi と同じようにハの字状の2本の主歯が見られ、その前方には長い側歯が見られる。
 Hayamina sp. が出る産地は恐竜が出るとの事で、マニアにとっては、夢のある産地だ。
この立川でも 1994年のイグアノドン類、2016年にはティタノサウルス類のそれぞれ歯が発見され、2016年の発見で徳島県立博物館と福井県立恐竜博物館の共同調査で2018年にはボーンベッド と云えるような多産層まで見つかったと報じている。
備 考 引用・参考資料
 田代正之 1992 「化石図鑑」日本の中生代白亜紀二枚貝
 ブログ   趣味とおしゃべり   (現在閉鎖)




0344 掲 載 日 2019年5月23日
標 本 名  Patagiosites sp.     (レプリカ)
    パタジオサイテェス
産  地  大阪府阪南市箱作
時代 地層  中生代 白亜紀後期  カンパニアン上部〜マストリヒチアン下部   和泉層群畦の谷層相当層
標本写真


下図は水性絵具にて色付けしたもの

コメント 頂き物(樹脂レプリカ)   パキデスカス科  パタジオサイテェス属
 
 和泉層群では淡路島西淡町木場海岸の Didymocerus awajiense の産出層準から故宮本淳一氏によって発見採集された標本(大自博所蔵)がホロタイプ標本となり Patagiosites laevis Morozumi として記載された。小生偶然にもこの発見採集の場に立ち会い現認することができた。その後淡路島では西淡層・北阿万層などでも発見があり、大阪の和泉層群でも箱作の畦の谷層の礫まじりの層準から Pachydiscus awajiensis などと共に稀に産出が知られている。
備 考 引用・参考資料
 Yoshiro Morozumi 1985 Late Cretaceous (Campanian and Maastrichtian) ammonites from Awaji Island, Southwest Japan Osaka Museum of Natural History , 39




0343 掲 載 日 2019年5月16日
標 本 名  Balanus rostratus Hoek
    バラナス  ロストラウルス
産  地  愛知県田原市高松町 一色海岸
時代 地層  新生代 第四紀 更新世中期   渥美層群   豊橋層 高松シルト質砂岩部層
標本写真


コメント 2016年(平成28)5月30日  採集     フジツボ科  フジツボ属

 19世紀初めまで、フジツボは、貝などと同じ軟体動物であると考えられていた。しかし、エビ、カニなどの甲殻類と同じく自由遊泳性のノープリウス幼生として孵化することが1829年、J.V.トンプソンにより明らかにされ、甲殻類に分類されるようになった。
 フジツボは固着生活に適応しているため、体の構造が他の甲殻類とは大きく異なる。エビ、カニなどが歩行に用いる脚(歩脚)に相当する部分は、蔓状の蔓脚(まんきゃく)となり、海水中のプランクトンを濾過して食べるために用いている。
体を覆っている殻とそれを閉鎖する蓋はエビやカニの背甲に相当する。頭胸部背面の外骨格に由来する外套から分泌され、軟体動物門の貝類の殻のように生涯成長を続けるが、殻の内部の蔓脚や外套は成長に応じて脱皮し、殻の内部から外に廃棄される。
(以上ウイキペディアより引用)
 この産地の物は殻が赤い色をしているためオオアカフジツボと呼ばれている。
備 考 引用・参考資料
 中島 礼・堀 常東・宮崎一博・西岡芳晴 2010 伊良湖岬地域の地質
      5万分の1地質図幅 産業技術総合研究所  地質調査総合センター
 川瀬基弘・市原 俊・河合秀高 2015 中部更新統渥美層群の軟体動物化石
      瑞浪市化石博物館研究報告 41   51-131




0342 掲 載 日 2019年5月9日
標 本 名  Antalis cf. weinkauffi (Dunker)
    アンタレス  ウエインカウフィ
産  地  岡山県津山市太田     宮川河床
時代 地層  新生代 新第三紀 中新世中期   勝田層群  吉野層  
標本写真


下図は参考資料


コメント 2019年(平成31)3月27日  採集   掘足類  ツノガイ亜科 ツノガイ 

掘足綱( くっそくこう、Scaphopoda)
 殻は角を思わせる緩やかにカーブした筒状で、上端と下端は必ず開いている。この上端側の孔を後口、下端側の孔を殻口と呼ぶことが多い。殻の後口側に肛門が、殻口側に頭、足がある。また、カーブの外側を腹側、内側を背側と呼ぶ。
以上は『ウィキペディア(Wikipedia)』より転載
 ツノガイの仲間には殻表に強い細かな縦肋が発達するものと ほとんど縦肋はめだたず、微かな輪肋が見られ上端部の後口端部のみに縦肋の見られるものなどがあり 今回紹介するのは後者のAntalis cf. weinkauffi とされるもの。
尚、同じく勝田層群では下図の参考資料写真の縦肋の発達したヤスリツノガイ属 Fissidentalium sp. をシルト質泥岩層から多く産出している。

備 考 引用・参考資料

 波部忠重  1977  日本産軟体動物分類学  二枚貝綱/掘足綱  p327343 北隆館 刊行



2019年4月25日2019年5月2日は入院加療の為 更新できませんでした。


0341 掲 載 日 2019年4月18日
標 本 名  Philyra plana Karasawa
    フィリラ   プラナ
産  地  岡山県津山市二宮 (院庄)    吉井川河床
時代 地層  新生代 新第三紀 中新世中期   勝田層群  吉野層  
標本写真

コメント 2015年(平成27)10月23日  採集  Leucosiidae コブシガニ科   スベスベマメコブシガニ

 この戸島川(滑川)との合流部の吉井川河床は数十年前から小規模な露頭だが、興味深いものを良く産出することで、常にパトロールをしている産地。
 菱形の甲羅で殻の表面はなめらかで顆粒はなく甲羅は凸状に膨らむ、また正中線の心域では微かに稜を呈している。Karasawa 1989 で記載された瑞浪層群宿洞(しゅくぼら)層の Philyra plana に同定されており、P. miyamotoi とは甲羅の前側縁および後側縁に顆粒列がないことから区別される。
備 考 引用・参考資料
 柄沢宏明 (1989) 瑞浪層群の中新世十脚甲殻類化石 その1 アナジャコ科・コブシガニ上科・イワガニ上科 (英文)
              瑞浪市化石博物館研究報告 16 19-21(Pl.3.Figs.2,3)
 岸本眞五 (2018) 岡山県津山市付近から見つかる約1600万年前のカニ(甲殻類)化石
              兵庫県立人と自然の博物館 共生のひろば 第13号 p53-61 




0340 掲 載 日 2019年4月11日
標 本 名  Lopha sp.
    ローファ
産  地  兵庫県南あわじ市 広田
時代 地層  中生代 白亜紀後期  カンパニアン後期  和泉層群 西淡層  
標本写真
  



コメント 2016年(平成28)7月15日ほか  採集       イタボガキ科 トサカガキ属

 白亜紀のトサカガキ属と云えば、近畿地方では和歌山県の白亜紀前期の有田層から産出する Rastellum carinatum (ラステルム・カリナータム) が良く知られている。 殻が逆V字形のギザギザの形状が特長で、 R. carinatum の短冊状のカーブした殻に比べてカンパニアン後期とされる西淡層から産出する Lopha sp. の殻長は短く、小型である。また宮古層群で報告のあるLopha (Actinostreon) nagaoi にくらべ殻長は短く復縁部のかみ合わせのギザギザは多い。 
 この産地の場合泥岩層から散在して産出するのだが、ほとんとの個体は巻貝の Ariadnaria sp. に付着した状態で産出する。
備 考 引用・参考資料
 田代正之 1992 「化石図鑑」日本の中生代白亜紀二枚貝 p130-132
              自費出版 
 岸本眞五 2017 淡路島の和泉層群(上部白亜系)から産出したカツラガイ科巻貝化石について
            兵庫県立人と自然の博物館 共生のひろば 第12号 p20-23




0339 掲 載 日 2019年4月4日
標 本 名  Pycnodonte sp.
    ピクノドンテ
産  地  岡山県津山市大田 宮川河床
時代 地層  新生代 新第三紀 中新世中期   勝田層群  野介代層  
標本写真

コメント 2008年(平成20)5月18日  採集     ベッコウガキ科    ピクノドンテ属

 勝田層群で最も見るカキの仲間はアツガキ Crassostrea gravitesta で イトイガワガキ Ostrea itoigawai また マガキ Crassostrea cf. gigas  などもよく見る。 
 ベッコウガキは 野介代層の最下位の泥岩層から勝田層群では初めて産出を確認した。 他のカキ類に比べ 殻がとても薄く、割れやすく、ハンマーの振動で薄い殻が母岩から遊離し粉々に壊れて採集は困難である。
 ベッコウガキの生息環境は 潮間帯近くの浅い場所に付着生活しているマガキのに対して、水深の深い場所(200メートル以深)の海底に棲息していたと思われる。(ぼうずコンニャクの 市場 魚貝類図鑑より引用) 
備 考 引用・参考資料
 速水 格・加瀬友喜 1992 琉球諸島から発見されたピクノドンテ属の隠生種 : 生きている化石カキ(英文)
                    日本古生物学会報告・紀事. 新篇 (165), 1070-1089
 稲村研吾 2012   二枚貝綱カキ上科の分子系統解析および生息環境の変遷の解明
               かき研究所 研究助成報告書 (平成24年度)      




0338 掲 載 日 2019年3月28日
標 本 名  Ahazianassa masanorii (Karasawa)
   アハジナッサ マサノリイ
産  地  兵庫県洲本市由良町 
時代 地層  中生代 白亜紀後期  ヘトナイ世 マーストリヒチアン階   和泉層群 北阿万層  
標本写真

コメント            アワジスナモグリのハサミ脚
 この産地では、この様にハサミ脚の掌節の可動指が取れたものを含むノジュールを非常に多く見る。
Karasawa (1998) でCallianassa masanorii として記載されていたもので、その後の追加標本で Karasawa et.al (2019) で尾肢等の特徴から Gourretiidae ガーレスナモグリ科の新しい属として再記載された。
    新属種名 Ahazianassa masanorii (Karasawa)  和名  アワジスナモグリ
 また、小種名のmasanorii は1998年に記載されたとき、標本のサンプリングをした人の名前に由来する。当時記載に使用された標本は公的な収蔵先に保管されなかったため現在は行方不明となっている。 尚、この度のこれらのタイプ標本(この掲載標本とは別個体)などは兵庫県立人と自然の博物館に収蔵されている。
 記載についての詳細は下記論文を参照、記載に関しては和文要約も付けられている。
備 考 引用・参考資料
 
H. Karasawa, S. Kishimoto, M. Ohara and Y. Ando (March 15, 2019)
Late Cretaceous Decapoda from the Izumi Group of Japan, with descriptions of two new genera and new species of Axiidea and one new family of Brachyura.
Bulletin of the Mizunami Fossil Museum No.45   P.43-85




0337 掲 載 日 2019年3月21日
標 本 名  Trace fossils    生痕化石
   トレイス ホォシィルズ
産  地  兵庫県洲本市由良町 ほか
時代 地層  中生代 白亜紀後期  マーストリヒチアン階   和泉層群 北阿万層  
標本写真
コメント   生痕化石 サンドパイプ

 洲本市南部に分布する北阿万層の泥岩層には多くの底棲動物の生活痕跡(生痕化石)を数多く見る層準が多数ある。
これらの生痕化石は、堆積面に対して直行あるいは斜行した色々の太さのパイプ状のいわゆるサンドパイプが多い。またスプリングバネの様にスパイラル状の物も見られる。また木の葉状に広がりを見せるものもあり、写真は掲載していないが環形動物(ゴカイなどの仲間)のフィコサイフォンと呼ばれている糞化石と思われるものなど多彩なものを産出している。
残念ながらこれらの生活痕を残した宿主を取り込んだ生痕はまだ見ていない。
備 考




0336 掲 載 日 2019年3月14日
標 本 名  Crassostrea sp.
   クラッソオステリア
産  地  兵庫県南あわじ市福良丙 
時代 地層  中生代 白亜紀後期  マーストリヒチアン階   和泉層群 北阿万層  
標本写真



コメント 2009年(平成21) 6月21日  採集      イタボガキ科 マガキ属

 殻頂は採集時に壊れたが 左殻の標本 カキの類は殻の形が定まらず 同定は困難。
前背縁側の殻は薄いのに対して後背縁の殻は重厚である。 
殻の内側には大きく丸く窪んだ後筋痕(貝柱が取り付いていた跡)があり、成長肋と考えられる半月状の輪肋が見られる。
 淡路島の和泉層群では カキ化石の産出は下灘層や北阿万層で時々みるが稀な産出と云える。
備 考




0335 掲 載 日 2019年3月7日
標 本 名  Callianassa nishikawai Karasawa
   カリアナッサ ニシカワイ
産  地   岡山県勝田郡勝央町植月中 
時代 地層   新生代 新第三紀 中新世中期   勝田層群  吉野層  
標本写真



コメント 2017年(平成29) 12月18日 入手   ニシカワスナモグリ

 下記の柄澤(1993)で、広島県 神石高原町油木のアマチュア化石研究家、故西川功氏(2016年3月没)に新種として記載献名されたもの。
ニシカワスナモグリは備北・勝田層群では最も多産する化石十脚類であり、ここに紹介する植月中はビカリアの産出地でも良く知られいる地域で、県道の拡幅工事の際に吉野層の出雲乢泥岩層と思える層準が大きく切り崩され、スナモグリ類を含むシルト質のノジュールが多量に採集されたと聴いている。
備 考 引用・参考資料
 柄沢宏明・岸本眞五(1996) 岡山県の勝田層群産中新世十脚甲殻類  瑞浪市化石博物館研究報告 23,p.39-50
 柄沢宏明 (1993)  西南日本の新生代十脚甲殻類(英文)  瑞浪市化石博物館研究報告 20,p.32 PL.3, Figs. 4-9




0334 掲 載 日 2019年2月28日
標 本 名  Crassostrea gravitesta (Yokoyama)
  クラッソオステリア グラビティスタ 
産  地   広島県三次市布野町 布野川 河床
時代 地層   新生代 新第三紀 中新世中期   備北層群  下部泥質砂岩層  
標本写真
採集標本



産状写真(2016/8/20撮影)


穿孔貝による摂食(?)跡(2016/8/20撮影)


穿孔貝による摂食(?)跡(2016/8/20撮影)


穿孔貝の断面(2016/8/20撮影)

コメント 2006年(平成18) 8月14日 採集      アツガキ  (グラビティスタガキ)

 備北・勝田層群ではごく普通に見られるアツガキは、海底の岩とか沈埋木などに付着して群生しているカキではなく、泥質あるいは砂質の海底を着底基盤として数個 (時には数十個) の個体が小規模な礁を作って生活していたとされている。 
 2枚目の写真の様な破片密集の産状が良く観られる。 2016年の布野川巡検ではこれらの厚いアツガキの殻に穿孔貝類によって穿たれたと考えられる生痕が見られた。
備 考 引用・参考資料
 湯口博満・安藤寿男 (2019) 
 北海道中南部の中新統フラヌイ層における自生・半自生産状を示す Crassostrea gravitesta  密集層のタフォノミーと古生態
     日本古生物学会(ポスター発表) 第168回例会予稿集 p34 




0333 掲 載 日 2019年2月21日
標 本 名  Scylla sp. aff. S. serrata (Forskal) 
   スキュラ セラータ
産  地   岡山県津山市高尾 皿川 河床   現生標本は西表島 後見川のマングローブ域
時代 地層   新生代 新第三紀 中新世中期   勝田層群 吉野層   
標本写真



コメント 2018年(平成30) 5月13日 頂き物        ノコギリガザミの近似種  
  現生種は 1996年3月 西表島 後見川で入手 Scylla serrata (Forskal) ノコギリガザミ 

 小種名のserrata とは鋸状縁という意味があるようで、背甲前部の額域から左右の前鰓域にかけて鋭い鋸歯が並ぶことからノコギリガザミと呼ばれ、マングローブ域の河川流域に生息している。
 この皿川の標本は径6cm前後のやや扁平な泥質砂岩のノジュールに含まれていて、腹面甲で左右の第5脚の遊泳脚の一部が残され他の歩脚やハサミ脚は残されていないようだ。
 この産地では、この様なノジュールに注意をしていけば、追加標本が今後も得られる可能性がまだまだある。
備 考




0332 掲 載 日 2019年2月14日
標 本 名  Turcica aff. coreensis Pease “
   トウルチィカ コリエイシス
産  地  島根県出雲市上塩冶町菅沢
時代 地層   新生代 新第三紀 中新世   出雲層群 大森層
標本写真



コメント 2006年(平成18)8月14日  採集   ニシキウズガイ科  マキアゲエビスの近似種と思われる。

 2013年6月に完成した洪水調節の為の運河 「斐伊川(ひいかわ)放水路」 大森層・布志名層の分布地が大規模に開削され保存の良い化石が大量に産出した。
 その中でもKotorapecten moniwaensis が産出した大森層の一部の層準よりマキアゲエビスに似たこの巻貝は良く産出し、現生種で南洋種のPerrinia elisa の殻表の装飾の顆粒は似ている。 殻の表層が風化したものは現生のギンエビス Bathybembix argenteonitensを思わす真珠光沢を呈するものがある。
備 考 引用・参考資料
 吉良哲明 (1959)  原色日本貝類図鑑 p11 第6図版 1   保育社刊




0331 掲 載 日 2019年2月7日
標 本 名  Pagrus major (Temminck and Schlegel)
  パグルス マジョワー         マダイの骨格標本 
産  地  愛媛県 (養殖)
時代 地層   現生
標本写真


 

  

 


コメント 2018年7月21日・28日  人博セミナー  『食べながら学ぶ魚の骨格』 
                    講師 人博研究員三枝春生 先生

 受講者 7名   1人1尾づつの大きなマダイ  まずは内臓を取りだして調理から 肋骨を傷めない様に包丁を入れる。それぞれ一人一人味付けし煮つける。 一人で食べるボリュームではない大きさ 途中で遊離する小さな骨を回収するのが大変 肉片に紛れてなくさない様に・・・ 注意 注意 何とか大まかな肉片は取り去り  1日目の作業は終了 自宅で骨についた小さな肉片を取り除く  ハイターなどを使って油抜き その後 骨を洗浄 乾燥  2日目の受講はこれらの分離した骨を持ち込み各自のタイ骨格を組み上げていく・・・。  セミナー終了時間がとっくに過ぎているが 組みあがった人は誰もいなかった。
 それぞれ宿題となった骨格標本作り 何とか魚の形になった人は何人いるだろう。 
備 考




0330 掲 載 日 2019年1月31日
標 本 名  Miosesarma japonicum Karasawa
  ミオセサルマ ジャポニカム 
産  地  広島県三次市布野町大判
時代 地層  新生代 新第三紀 中期中新世   備北層群 下部砂岩層
標本写真





コメント 2016年(平成28)8月20日  採集      

 この産地を初めて訪れてから20年近くなるが いまだに大量のノジュールを現場では見ることができる。
河床の露頭は健在で 確かに長年のマニアの採集で掘り込まれていますが 含カニそら豆大のノジュールはたやすく取れる。
川底表面浅くに含まれるノジュールは風化が進み内部のカニが見えていることもしばしばで、採集時注意しないと もともと保存されているハサミや脚を水中に流してしまう。
備 考 引用・参考資料
 柄沢宏明 (1997)  西日本の新生代大型甲殻類
        瑞浪市化石博物館専報  第8号




0329 掲 載 日 2019年1月24日
標 本 名  Mesodermochelys undulatus Hirayama & Chitoku
   メソダーモケリス・ウンドラータス
産  地  兵庫県洲本市由良町
時代 地層   中生代 白亜紀後期    マーストリヒチアン階     和泉層群  北阿万層
標本写真





コメント 2008年(平成20)8月10日  採集         原始的なオサガメの仲間

 Morozumi (1985)のアンモナイト化石帯で Nostoceras hetonaiense 帯として区分されている この地域の泥岩層からはウミガメと考えられる 骨化石が多く産出している。
 今回紹介する骨片もウミガメの縁骨板の一部と思えるもので、泥岩層が夏の強烈な直射日光の熱で粉々に割られ風化していく露頭の表面に遊離して観られたもの。
備 考 引用・参考資料
 Hirayama,R.and Chitoku,T.(1996); Family Dermochelyidae (Superfamily Chelonioidea) from the Upper Cretaceoua of North Japan ,
                 
Trans. Proc. Palaeont. Soc. Japan,N.S., No.184 597-622




0328 掲 載 日 2019年1月17日
標 本 名  Crenomytilus grayanus  Dunker
    クレノミチルス・グライアヌス  
産  地  岡山県津山市大田 宮川河床
時代 地層  新生代 新第三紀 中新世中期    勝田層群 吉野層 
標本写真
 @

 A

 B
コメント 2009年(平成21)12月21日 採集     エゾイガイ

 寒流あるいは水温の低い海域の潮間帯-60m深までの岩礁に足糸で付着して生活している 現生種の Crenomytilus grayanus Dunker 1853に今のところ同定されている。
 下の2枚の産状写真は Aが勝田層群吉野層(2009/12/21撮影)、Bは瑞浪層群明世層山之内部層(2016/10/27撮影)
勝田層群は基盤岩類の直上の淘汰の悪い礫層に離弁の殻が散在しての産出で、瑞浪層群山之内部層の場合は岩相は泥質で沈埋木にエゾイガイが合弁で付着している状態でイワムラニシキやジンボエゾフネガイなどと共に産出している。
備 考 引用・参考資料
 安藤祐介 2018  瑞浪市化石博物館研究報告 第44号  特別号
              ―瑞浪北中学校敷地造成工事現場(瑞浪市土岐町)に露出した下部中新統瑞浪層群明世層から産出した化石―




0327 掲 載 日 2019年1月10日
標 本 名  Atira tricarinata Kase
  アチラ・トリカリナータ  
産  地  大阪府泉佐野市上之郷 新池 (泉佐野カントリークラブ ゴルフコース内)
時代 地層  中生代  白亜紀後期  和泉層群  畦の谷層
標本写真
コメント 1982年(昭和57)8月15日 採集     TROCHIDAE ニシキウズガイ科

 下記の加瀬1990で新種記載されたもので、大阪の和泉層群稲倉池で産出したものがタイプ標本となっている。
その特徴としては 三層の螺管の肩に強い稜を持ったキールがあることが挙げられる。
備 考 引用・参考資料
TOMOKI KASE 1990  Late Cretaceous Gastropods From The Izumi Group Of Southwest Japan
              Journal of Paleontology, V,64, No. 4




0326 掲 載 日 2019年1月3日
標 本 名  Nostoceras hetonaiense Matsumoto
  ノストセラス ・ ヘトナイエンゼ
産  地  兵庫県洲本市由良町
時代 地層  中生代  白亜紀後期  和泉層群  北阿万層
標本写真





コメント 右標本 2018年(平成30)12月23日 採集
左標本 2016年(平成28)11月13日 採集      アンキロセラス亜目  ノストセラス科

 淡路島の3大異常巻きアンモナイト(ディディモセラス・プラビトセラス・ノストセラス)は全てノストセラス属に属するとされている。
 今回紹介するノストセラス・ヘトナイエンゼは北海道穂別地方のマ―ストリヒチアン階の地層から産出していて、淡路島では洲本市近郊の北阿万層から多産している。北阿万層での産状は気房部と住房部が分離した状態のものが多く、なかなかすべて繋がった状態のものを観ることは稀である。掲載標本の2点とも亜成体と思え、住房のU字状の形態へこれから成長する前の若い個体と思える。
 今回のこれら2点は 螺管の巻き方向に“右巻き”と“左巻き”あることを示す標本で、左右の巻きが見られる巻貝類や異常巻きアンモナイト類では普通右巻きの物が多いとされているが 北阿万層から産出するノストセラスの場合、その割合は均衡しているように思う。
備 考




0325 掲 載 日 2018年12月27日
標 本 名  Oligoptyxis pyramidaeformis (Nagao)
   オリゴプティクシス・ピラミダエフォルミス
産  地  熊本県天草市御所浦町花岡山
時代 地層  中生代 白亜紀 セノマニアン   御所浦層群 唐木崎層 
標本写真

コメント 1990年頃 頂き物  

 御所浦白亜紀資料館の化石採集体験場での採集物との事 砂質母岩の分離が悪く殻表の装飾が読み取れないが 干潟の大型巻貝の化石で、最大15cm程度になる。過去には“セリシウム”と呼ばれていた。地元の子供達の調べで幼貝らしきものには小さな縦肋があるとのこと。   
 中新世のビカリアの遠祖先型?として考えられている。
備 考 引用・参考資料
 御所浦白亜紀資料館 HP
 小松 俊文 (1999) 白亜系御所浦層群の大型巻貝化石:Oligoptyxis pyramidaeformisの産状と保存.
              タフォノミーと堆積過程,      地質学論集, 日本地質学会 (54) 141-150
 jin6_2303 (2006) HP  干潟系化石の館 Arcid-Potamid 群集記念館
                           Vicarya の起源を探る 2 白亜紀編
                   http://www.geocities.jp/higatakaseki/tubuyaki/kigen/kigen2.htm




0324 掲 載 日 2018年12月20日
標 本 名   左 : Coptothris grayi (Davidson)  コンプトシリス・グレイ
   : Gryphus angularis (Hayasaka) グリフィス・アンギリス
  
産  地  石川県羽咋郡志賀町笹波 関野鼻
時代 地層  新生代  新第三紀   中新世      関野鼻石灰質砂岩層
標本写真



コメント 2013年(平成25)8月3日 採集  腕足類 左 : タテスジホウスキカイ   右 : チョウチンホウズキ

 タテスジホウスキカイは各地の第三紀層から産出が知られており、西日本では岡山の浪形層や島根の来待層などから採取している。殻は厚く、同心円状の成長肋の他に20本以上の放射状の粗くて強い肋があり、殻央近くの肋は分岐したものが多い。
 チョウチンホウズキは鮮新世の地層からの産出が多く、千葉県銚子の名洗層では多産している。洋ナシ状の形状で、殻表は平滑で微かな成長輪肋がある。 
備 考 引用・参考資料
 松浦信臣 (2009)  新版 石川の化石  北國新聞社 刊
 坂之上一 (1998)  出雲地方の貝化石  坂之上一貝化石コレクション解説書  島根県立三瓶自然館




0323 掲 載 日 2018年12月13日
標 本 名   Micronectes bellaturus Ichikawa & Maeda
  ミクロネクティス ベラテュラス
産  地  大阪府泉佐野市上之郷 滝の池
時代 地層  中生代 白亜紀後期  和泉層群 畦ノ谷層
標本写真
 

 

スケールは10ミリ
コメント 1976(昭和51)年4月18日  採集      カミオニシキガイ科

 殻形は丸く、小さく10ミリ前後。大きな耳があり、殻表には強く細かな同心円肋と細かな逆V形の小肋がある。殻の内側の放射状肋は見られない。
 掲載標本2は殻の前後方向から圧を受け潰されている、また掲載の4点とも殻は溶けていて殻表の装飾は残されてない。尚淡路島の和泉層群で産出している Parvamussium awajiense (Ichikawa and Maeda)とは外形はよく似るが耳が大きいこと、また内側の放射状肋がないことで区別される。
備 考 引用・参考資料
 田代正之 (1992)  
    化石図鑑  日本の中生代白亜紀二枚貝   自費出版  p110  図版32-2




0322 掲 載 日 2018年12月6日
標 本 名   Cernina nakamurai (Otuka)
   チェルニナ   ナカムライ 
産  地  岡山県津山市近郊  1 : 上野田  2 : 院庄  3・4 : 二宮
時代 地層  新生代  新第三紀  中新世中期    勝田層群 吉野層    
標本写真



コメント 採集年月日 1 : 2018年(平成30)9月23日  2 : 2015年(平成27)10月23日  3・4 : 2018年(平成30)8月2日
                         ナカムラモクレンタマガイ
 “Globularia グロブラリア”と呼ばれていたもので、Kase & Ishikawa (2003)で肉食性のタマガイ科ではなく石灰藻を食べる Ampullospiridae(アンプロスピラ科)に属することが明らかにされ、Globularia からCernina へと属名が変更された。
吉野層でも砂質の強い層準から産出する。 ここに紹介の標本は未成熟な個体だが殻径が10cm近いものも産出する。
備 考 引用・参考資料

 中川登美雄(2009)
  福井県内浦層群下層から産出した熱帯砂底ならびに岩礁棲軟体動物化石群集
             瑞浪化石博物館報告 35  p. 127-151
 福井自然史博物館(2018) 編集中川登美雄
   福井県大飯郡高浜町   小黒飯の化石 図録




0321 掲 載 日 2018年11月29日
標 本 名   Bathynomus sp.
    バスティノムス
産  地  富山県富山市八尾町村杉
時代 地層  新生代  新第三紀  中新世中期     八尾層群 東別所層    
標本写真

コメント 1994年(平成6) 12月4日 頂き物     Cirolanidae スナホリムシ科 オオグソクムシ

 オオグソクムシは等脚目スナホリムシ科に属する海生甲殻類の一種であり、陸上に生息する「ダンゴムシ」「ワラジムシ」の仲間で、日本各地の中新世中期の地層から報告があるが、全体像が残されたものはなく、ほとんどが後方節の脱皮殻とされている。
備 考 引用・参考資料
 松岡敬二・小出和正 (1980) 八尾累層産オオグソクムシ(甲殻類・等脚目)化石.
                     瑞浪市化石博物館研究報告, 7,51-58.
 山名 巌・山家浩晶 (1982) 勝田および鳥取両層群における化石オオグソクムシ Bathynomus sp. 発見の意義.
                     鳥取県立博物館研究報告, 19,1-15.
 岸本眞五 (2018)   岡山県津山市付近から見つかる約1600万年前のカニ(甲殻類)化石
                     兵庫県立人と自然の博物館 共生のひろば 13号  58-61




0320 掲 載 日 2018年11月22日
標 本 名   Chlamys iwamurensis Itoigawa
   クラミス       イワムレンンシス  
産  地  岡山県津山市上河原 宮川河床
時代 地層  新生代  新第三紀  中新世中期     勝田層群  吉野層    
標本写真

コメント 2011年(平成23)10月2日 採集      イワムラニシキ

 瑞浪化石博物館の計らいで、2016年10月 瑞浪市土岐町の中学校の敷地造成工事現場での見学採集をさせて頂いた。この時 イワムラニシキとイガイがほぼ棲息状態と思える素晴らしい産状を見せてもらった。
 今回、ここで紹介する産地では同じ様に Mytilus sp. を伴って産出するが、それぞれの殻は離弁で一部が破損したものが多く 化石化するまでに生息域から流され移動してきたものと考えられる。
  ※注  想い出の化石(その5) No.0218  掲載日 2016年12月1日 参照
備 考 引用・参考資料
 『瑞浪北中学校敷地造成工事現場(瑞浪市土岐町)に露出した 下部中新統瑞浪層群明世層から産出した化石』 編集 安藤祐介   2018
 瑞浪市化石博物館研究報告  第44号 ━特別号━  




0319 掲 載 日 2018年11月15日
標 本 名   Neoglaphyrites cf. japonicum Nishida & Kyuma
   ニオグロフリイテェス      ジャポニカム
産  地  新潟県糸魚川市青海
時代 地層  古生代 石炭紀中期    青海石灰岩層群
標本写真



コメント 1987(昭和62)年10月10日採集       ビサットセラス科

下記資料より引用
 青海石灰岩は古生代の前期石炭紀〜中期ペルム紀(約3.4〜2.5億年前)の約9,000万年間に、暖かく温暖な気候のサンゴ礁の広がる浅い海でつくられたことが知られている。青海石灰岩には有孔虫、サンゴ、コケムシ、腕足類、アンモナイト、三葉虫、ウミユリ、石灰藻などの化石が豊富に産出。
 0121 2015年1月22日に掲載した Bisatoceras cf. akiyoshiense Nishida はヘソは殆ど閉じており、この種は狭いが開いて殻全体の形も螺管の膨らみは少なく扁平である。
備 考 引用・参考資料
 新潟大学あさひまち展示館企画展 (2006.9.5-11.30) 展示解説書
            『新潟県の化石』 ―化石から日本列島の歴史を考える―
 山口県立山口博物館 1985  『山口県の古生物』―古生代―




0318 掲 載 日 2018年11月8日
標 本 名    ウニ・フジツボ ・腕足類
産  地  静岡県下田市柿崎 柿崎弁天島
時代 地層  新生代 新第三紀  後期中新世     白浜層群  原田層
標本写真


 


静岡県自然観察ガイドブック『ふるさと自然伊豆編』より引用
コメント 1990年(平成2)7月2日 採集

 勤務先の観光旅行で訪れた下田、 宿泊先、黒船ホテルの朝食前の早朝に一人海岸を散歩していた時の採集物
今、Googleマップでその場所を調べてみるが、28年も昔、観光地の海岸は変貌が激しく、記憶の景色とは一致しない。多分柿崎弁天島付近と思えるのだが・・・。
 化石の含まれている母岩は凝灰岩質砂岩で化石の分離はよい。 
 ウニは白浜層群須崎層から報告のあるCoelopleurus singularis Nishiyama (コエリョフローラス シンガラリス ニシヤマ)ではないかと思われる。
備 考 引用・参考資料
 静岡県自然観察ガイドブック『ふるさと自然伊豆編』
        静岡県庁公式サイト、環境政策課 企画班
 狩野 謙一, 伊藤 谷生 (2016)
      伊豆半島南部の新第三系白浜層群に見られる浅海底火山活動と堆積・造構過程との相互作用
          地質学雑誌 122 巻 8 号
 Syozo NISIYAMA (1966・1968)
      THE ECHINOID FAUNA FROM JAPAN AND ADJACENT REGIONS PART I & U
            PALAEONTOLOGICAL SOCIETY OF JAPAN SPECIAL PAPERS NUMBER 11




0317 掲 載 日 2018年11月1日
標 本 名    Eosardinella hishinaiensis Sato   鱗化石
   イーオサーディネラ ヒシナイエンシス
産  地  岩手県北上市和賀町横川目菱内
時代 地層  新生代 前期中新世   菱内層 
標本写真





柳沢幸夫・大石雅之 2009より引用
コメント 1982年(昭和57)頃入手     頂き物     ニシン科の魚類 ヒシナイイワシ

 下記資料から引用
  菱内層は、凝灰質泥岩と砂岩、凝灰岩の互層からなり、魚類化石(骨格及び鱗)・貝類化石を産する。
  このほか、海生層であるにも関わらず植物化石も産する。
 掲載標本は経年変化で母岩の白色凝灰岩は茶色く変色しウロコが見づらくなっているが、5〜10ミリの同一魚種と思えるウロコが数多く累重している。
備 考 引用・参考資料
 柳沢幸夫・大石雅之 (2009)  岩手県北上市西部の上部中新統菱内層の珪藻化石年代
              岩手県立博物館研究報告 第26号 1-10
 Jiro SATO (1966)  A New Genus and Species of Sarsine from tha Miocene Hishinai Formation, Northeastern Japan
              魚類学雑誌 第13巻 第4/6号




0316
掲 載 日 2018年10月25日
標 本 名    Pterotrigonia pocilliformis (Yokoyama)
   プテロトリゴニア・ポシリフォルミス
産  地  和歌山県有田郡湯浅町吉川
時代 地層  中生代 白亜紀前期   物部川層群下部層 有田層 
標本写真



コメント 1978年(昭和53)2月11日 採集     トリゴニア  (三角貝)

 湯浅町の北側を東西に流れる山田川の北の丘陵地は下部白亜系の領石Gの湯浅F また物部川G下部層の有田F 同じく上部層の西広Fが分布し端崎・栖原・矢田・方津戸・吉川・横田など各地で多くの化石を産出している。
 和歌山県立自然博物館では矢田の民有地で毎年3月に子供達への化石採集体験のイベントを開催して盛況である。 
備 考 引用・参考資料 
 小畠 郁生・小川 芳男  (1976)  白亜系有田層の化石層序
          国立科学博物館 Series C, Geology & paleontology 2(2), 93-"110-5",




0315
掲 載 日 2018年10月18日
標 本 名   サンゴ類の着床根 ?
産  地  島根県松江市宍道町東来待鏡  宍道湖沿い(国道9号線の崖)
時代 地層  新生代 新第三紀 中期中新世  布志名層
標本写真

コメント 1980年(昭和55)11月2日 採集 
 1982年の島根県で開催された夏・秋の「くにびき国体」のために1978年ごろから松江市の南の丘陵地帯で関連の開発工事が広く行われていた。
末広匡基 1979の報告で素晴らしい保存の貝化石が産出していることを知り、それ以後出雲―松江間の布志名層を度々訪れてきた。
 ここに紹介する宍道町東来待鏡の産地は下記の資料1でも紹介されており、泥岩層の大きな露頭で 50cm前後のノジュールがいくつも突き出ていて、多くのオオキララガイ等の合弁の貝類を多産していた。
 掲載標本は ? としているもので 底生で付着生物の物であると思われる。
備 考 引用・参考資料 
 末広匡基 (1979) 島根県布志名層産中新世貝化石群  瑞浪市化石博物館研究報告 第6号 65-100 図版 10-16
 資料1  改訂/山陰 地学ハイキング   大久保雅弘編  たたら書房 1980 刊 




0314
掲 載 日 2018年10月11日
標 本 名   Epitonium sp.     イトカケガイ
   エピトニウム
産  地  和歌山県西牟婁郡白浜町堅田 羽山ノ鼻
時代 地層  新生代 新第三紀 中期中新世   田辺層群
標本写真

コメント 1968年(昭和43)8月?日 採集      イトカケガイの仲間

 イトカケガイの仲間には塔の低いタイプのネジガイやまた塔が高く細長いタイプなど形態は多岐にわたる。
掲載の標本は 海岸露頭に表出していたもので、表面の装飾は風化していてはっきりと読み取れないところがある。螺管には多くの縦肋がきざまれ、これまでに、このコーナーで紹介してきた関野鼻のEpitonium (Boreoscala) angulatosimile Otuka や富山県の八尾のツザラのEpitonium (Boreoscala) nagaminensis OTUKAと比べ縦肋の数は非常に多く、また掲載標本では縦肋に直行する様な装飾が見られ微かに布目状を呈している様に見える。
 この様な布目装飾は現生種のヌノメイトカケ Amaea gazeoides Kuroda & Habe 等に見られる。
備 考 引用・参考資料
                              ━




0313
掲 載 日 2018年10月4日
標 本 名  Caretta caretta Linnaeus   アカウミガメの頭骨
   カレッタ     カレッタ
産  地  兵庫県南あわじ市灘地野海岸
時代 地層   現生    海岸の漂着個体
標本写真




 

 
コメント 2017(平成29)年5月28日 採集       アカウミガメ 

 淡路島の南の灘海岸では時たまウミガメなどが漂着することがある。
磯礫浜の荒波に壊され全身が残されたものはまだ見たことがない。 この頭骨と下顎骨は多少の欠損はあるものの形状が保たれているので持ち帰ってきた。 下の肋骨板は同年7月に頭骨を採取した同海岸の漂着ゴミの中にあり、まだ肉片が残されていたので持ち帰りは無理で捨て置いてきた。
 海岸で拾い上げたとき頭骨はさほど臭わないと思ったが、室内では異様な臭いを放った。
流水での水洗と漂白剤での油抜きを数日施したが完全に臭いが取れることはない。
下の写真4点は神戸市立須磨海浜水族園(スマスイ)のセミナー聴講時のもの
備 考 引用・参考資料
 2018.1.21 (10;00〜16;00) 講師 研究員 石原 孝
            スマスイのセミナー「ウミガメ博士の裏ガメスクール」 




0312
掲 載 日 2018年9月27日
標 本 名  Astralium sp.        アストラリアム属
産  地  石川県珠洲市正院町平床
時代 地層  新生代第四紀更新世後期「平床期」(約15〜7万年前)  平床貝層(ひらとこかいそう) 
標本写真



コメント 1986(昭和61)年8月15日 採集    リュウテンサザエ科 ウラウズガイ属

コトバンクほかより
リュウテンサザエ科の巻貝、殻高・殻径とも成長しても3pくらい。
殻は円錐形で、周辺から突起が出て歯車状に並ぶ。表面は灰白色。
底面に渦巻き状に顆粒が並ぶ。現生種のAstralium haematragum (アストラリアム・ヘマトラグム)は 本州中部以南に分布。ほとんどの場合殻表はコケムシ類に覆われており、突起の状態がはっきりしない。
備 考 引用・参考資料
                     ━




0311
掲 載 日 2018年9月20日
標 本 名 @,APseudamiantis tauyensis (Yokoyama)
      シューダミアンティス       タウエンシス
産  地  石川県金沢市大桑(オオクワ)町 大桑貝殻橋下流側  犀川(サイカワ)河床
時代 地層  新生代第四紀 前期更新世 (約140〜90万年前)     大桑(オンマ)砂岩層 
標本写真
@左殻

A右殻
コメント 1986(昭和61)年9月15日  採集  マルスダレガイ科, ヌノメハマグリ属

 絶滅種で日本海沿岸地域の鮮新世〜更新世に生息していた二枚貝の一つで、
殻はよく膨らんでいて、ハマグリ型の殻を持ち、殻表に成長肋と細かな放射肋が交叉し布目状となっている。
また前後とも筋痕は大きく、外套線(とうせん)や外套線湾入もハッキリし、湾入は深く入り込んで大きい。
また小月面は見られず、3つの主歯があり、靱帯があり楯面を有する。
備 考 引用・参考資料
 松浦信臣 (2009)   新版 石川の化石  北國新聞社 刊
 天野和孝  2001  日本海における鮮新世の軟体動物群と古海況
                 生物科学 第53巻 第3号




0310 掲 載 日 2018年9月13日
標 本 名  @,A Mercenaria stimpsoni (Gould)
           メルセナリア        シンプソニィ
産  地  石川県金沢市大桑(オオクワ)町 大桑貝殻橋下流側  犀川(サイカワ)河床
時代 地層  新生代第四紀 前期更新世 (約140〜90万年前)     大桑(オンマ)砂岩層 
標本写真
 @左殻

 A右殻
コメント 1986(昭和61)年9月15日  採集  マルスダレガイ科 カノコアサリ亜科ビノスガイ属 

 老成すれば殻長10センチ前後になる。殻は厚く、殻表の整然とした数多くの成長輪肋は殻表より薄く立ち上がっているが、それらの状態を保った標本は得難い。
 前後の筋痕、また套線(とうせん)や套線湾入もハッキリ読み取れ、湾入は浅い。また歯の咬み合わせ部(咬歯)がマルスダレガイ科(アサリやハマグリの仲間)の特徴的な3本の主歯をもつグループである。 腹縁部には多数の細かなキザミが見られる。
備 考 引用・参考資料
 松浦信臣 (2009)   新版 石川の化石  北國新聞社 刊
 田代正之 ブログ記事 (現在閉鎖)  二枚貝の咬歯の話 (2009年4月26日)〜シンボホラ(2009年9月26日)




0309 掲 載 日 2018年9月6日
標 本 名  @,A Hemifusus tuba Gmelin  現生種
 B Pleuroploca trapezium paeteli Strebel
現生種
産  地   @ 兵庫県明石市林崎沖 瀬戸内海播磨灘海底
  A 愛知県名古屋市 名古屋港 浚渫土
  B 沖縄県八重山郡竹富町  (西表島)
時代 地層  新生代 第四紀 完新世   Aは南陽層?
標本写真
@

 A  B

 


コメント @ 1978(昭和53)年5月4日  採集   アクキガイ超科 エゾバイ科 テングニシ亜科
A 1979(昭和54)年1月3日  採集            同 上
B 1996(平成8)年3月24日  採集   アクキガイ超科 エゾバイ科 イトマキボラ亜科

 2018年8月 勝田層群で テングニシ属と思える化石を採取した。 この採取標本の写真紹介は次の機会として、手持ちのテングニシの現生種の標本を調べてみた。
 紹介しているスナップ写真は地元の漁師さんの協力を得て、“海底のゾウ狩り”と称して、当時の化石仲間5名で報道関係者(テレビ朝日・NHK)も乗船してのイベント。 アケボノゾウ(当時はまだアカシゾウと呼んでいたと思う)の牙や臼歯が海底から揚がるのを目の当たりにするという素晴らしい体験をさせてもらった。掲載標本@のテングニシはこの底曳網に入ってきたもの。
 ところで 勝田層群から産出するテングニシはアツテングニシとされPugillina mimasakaensis (Yokoyama)とされているが、この度採取したものは現生種のテングニシHemifusus tuba 又は ナガテングニシHemifusus ternatanus に似ている。
備 考 引用・参考資料
 Fujimoto,S.(1999)
   Systematic rcvision of three species of Melongenidae (Gastropod;Sorbeoconcha) from the Miocene of Japan .
          Bull.Mizunami Fossil Mus. no. 26, 111-114
 中川登美雄(2009)
  福井県内浦層群下層から産出した熱帯砂底ならびに岩礁棲軟体動物化石群集
             瑞浪化石博物館報告 35  p. 127-151 




0308 掲 載 日 2018年8月30日
標 本 名  Neptunea modesta (Kuroda)
産  地  石川県羽咋郡志賀町笹波 関野鼻 
時代 地層  新生代新第三紀中新世      関野鼻石灰質砂岩層
標本写真

コメント 2018(平成30)年5月30日  採集    エゾボラの仲間   モデスタエゾボラ

 下記の参考資料によると モデスタエゾボラは氷見層群の崎山層(鮮新世)から報告されたものがある。これによると螺肋の肩部が角張って張り出ていて殻口が丸く大きく広がっているウワソエゾボラに対し、モデスタエゾボラは 肩部の張り出しは丸く、殻口の形状も長円形とかなり見た目も違う、想い出の化石(6) 0265のウワソエゾボラとした不完全な標本も多分モデスタエゾボラとした方がよさそうだ
      想い出の化石(6) 0265 掲載日 2017年11月2日 の記事 参照
備 考 引用・参考資料
 松浦信臣 (2009)   新版 石川の化石  北國新聞社 刊

 KAZUTAKA AMANO (1997)
   Biogeography of the genus Neptunea (Gastropoda : Buccinidae) from the Pliocene and the lower Pleistocene of the Japan Sea borderland




0307 掲 載 日 2018年8月23日
標 本 名  Thalassina tsuyamensis Ando & Kishimoto
産  地  岡山県津山市高尾 皿川河床 
時代 地層  新生代 新第三紀 中新世中期     勝田層群 吉野層
標本写真




コメント 2014(平成26)年3月16日ほか 採集     オキナワアナジャコ属  タラシナ・ツヤメンシス

 タラシナ・ツヤメンシスは砂質泥岩層に含まれるノジュールの中に見られるのですが、普通は一つのノジュールに一個体が内包されているのだが、長径が25〜30p以上の大きさのノジュールになると複数匹の個体が入っている場合が多い、それもハサミ脚は良く保存されているが頭胸部から腹部の保存は悪い。不思議なことにすべての個体が同方向を向き折り重なるように一列に並んでいる。
この様な形状になった理由は?、どうして?、このような形で化石化したのか調べてみるのも面白いと思う。
備 考 引用・参考資料
 岸本眞五 (2015)  岡山県津山市の勝田層群から化石十脚類 オキナワアジャコ属の産出
               兵庫県立人と自然の博物館 共生のひろば 10号 8-13
 Ando & Kishimoto & Kawano (2016) Two new species of Thalassina (Decapoda, Thalassinidae) from the Miocene of Japan
     Neues Jahrbuch fur Geologie und Palaontologie - Abhandlungen, Volume 280, Number 1, April 2016, pp. 107-117(11)




0306 掲 載 日 2018年8月16日
標 本 名  Vicarya yokoyamai Takeyama
                  (月のおさがり)
産  地  岡山県津山市高尾 皿川河床 
時代 地層  新生代 新第三紀 中新世中期     勝田層群 吉野層
標本写真

コメント 2018(平成30)年3月3日 採集       ヨコヤマビカリア

 月のおさがりとは、巻貝自体がメノウ化している訳ではなく、殻内部の空洞に浸みこんだケイ酸が結晶化し内部のケイ酸が蛋白石(オパール)やメノウに置換されたものを云い、 多くの場合は内部に炭酸カルシウムが結晶することが多く、方解石や霰石となるため、オパールやメノウと比べ、光沢がなく余り美しくありません。
 瑞浪市の日吉・月吉地区では、お日様・お月様が、用を足したもの(ウンチ)であると云う逸話があり、塔状の巻貝の、先方が細く殻口に向かって徐々に太くなた螺旋の美しい標本を,瑞浪地方 ではこのように呼んでいる。
 白色から黄色のものを「月のおさがり」、赤系統の色合いのものを「日のおさがり」と呼ぶこともあるらしい。
 今回紹介の産地では ビカリアの化石の多くは化石化する段階に圧力変形を受け殻口側は押しつぶされいてるものが多く、殻の潰れがなく、おさがりを形成しているものは少ない。
備 考 引用・参考資料
 安藤佑介 編集 2016
  瑞浪市化石博物館
     みずなみ 化石&博物館ガイド 12頁




0305 掲 載 日 2018年8月9日
標 本 名  Siratoria siratoriensis (Otuka)
産  地  岡山県津山市二宮 吉井川河床  
時代 地層  新生代 新第三紀 中新世中期     勝田層群 吉野層
標本写真
@

 A
コメント  @ 2018(平成30)年8月2日 採集
 A 1982(昭和57)年12月21日 採集           シラトリアサリ

 この産地は夏や冬の渇水期に吉井川の水位が下がった時、礫層の下位にある砂岩層が狭い範囲だ:け現れる。
1970年代中ごろ以来 40年以上楽しませて頂いている露頭で、今なお健在な産地だ、産出化石は 特に二枚貝類のザルガイやシラトリアサリの密集したノジュールが良く観られ カガミガイやハマグリ類なども時たま見る。 またナミガイ類の合弁で層理に直行した状態で産することがある。上部の礫層からはナカジマモクレンタマガイを時たま見ることがある。
また数少ないが エンコウガニの甲羅や手足付きの物を産することがある。
備 考 引用・参考資料
 定森喜六 編集 1979
    津山海の探検 (津山盆地の化石採集・地質調査の手引き)   
      財団法人ム津山社会教育文化財団  津山科学教育博物館 (現 : つやま自然のふしぎ館)




0304 掲 載 日 2018年8月2日
標 本 名  Eutrephoceras cf. japonicum (Shimizu)
産  地  長崎県長崎市伊王島町千畳敷
時代 地層  新生代古第三紀前期漸新世  伊王島層群 船津層
標本写真


 
コメント 2013(平成25)年10月31日 採集  オウムガイの仲間 ユートレフォセラス ジャポニカム

 約W200×H300×D130o、重さ約10sの大物 
 何回か伊王島層群を訪ねているが、沖ノ島の“アゼ”ではこれまでもオウムガイを採取してきたが、この調査で初めて伊王島の“千畳敷”でオウムガイを採取した。
 海岸露頭の最も陸側の砂岩層に遠目でも判る程の球状ノジュールの様なものが見え近づくとそれはオウムガイの住房部そのものだ。
 それにしても 露頭に表出してから何年も経っていると思えるのだが、多くのマニアや専門家の皆さんが調査し何人もの眼が見てきた露頭、よくぞ残されていたものだ。
  参照  管理人の備忘録 http://pravito.web.fc2.com/diary.htm   (2013年度の項)
備 考 引用・参考資料
 
 長崎県立長崎西高等学校 地学部・長崎県立長崎南高等学校 地学クラブ 1971
      沖ノ島における化石オームガイの研究
             長崎県地学会 会誌 第16号
い出の化石(7)

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週に一度 想い出の化石として標本を紹介していきます。

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