い出の化石(6)

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週に一度 想い出の化石として標本展示室に
あげていない標本を紹介していきます。


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0263 掲 載 日 2017年10月19日
標 本 名  Adamnestia sp.
産  地  和歌山県串本町田並 田の崎半島 東海岸
時代 地層  新生代 新第三紀  前期中新世      熊野層群  下里層(最下部層)
標本写真



コメント 1976(昭和51)年7月17日 採集   キセワタガイ超科 スイフガイ科 クダタマガイ

 下記の資料によると田の崎半島の中部から突端にかけて、1時から7時(北北東―南南西)方向に牟婁層群と熊野層群の不整合が見られ熊野層群の下里層からは貝殻が金色の黄銅鉱や黄鉄鉱、銀色の方鉛鉱などの“金属鉱物”に置換した化石が知られている。ここに紹介するクダタマガイの仲間も、当初黄鉄鉱の黄色い結晶が輝いていただろうが、産出時には赤茶けた小さな“鉄団子”の様だった。 今回紹介するにあたって再度剖出作業を加え、巻貝であることがハッキリした。
備 考 引用・参考資料
 水野篤行・今井 功 (1964)  5万分の1地質図譜説明書『田並』 (京都―第108号)  地質調査所




0262 掲 載 日 2017年10月12日
標 本 名  Enchodus sp.
産  地  兵庫県洲本市由良町
時代 地層  中生代 白亜紀後期   和泉層群 北阿万層
標本写真





コメント 2008(平成20)年3月26日ほか 採集      硬骨魚類  エンコウドゥス属の歯

 この産地では硬骨魚類のウロコの産出はごく普通にあり、また、魚の小さな骨の破片も時折見るが 魚の全体像を想像させるような脊椎骨が並んだ様なものは見ることはほとんどない。
ここに紹介するエンコウドゥス属の歯はこの産地で産する硬骨魚類で唯一、属の名称が分っているもので、また淡路島の和泉層群からは、下灘層から歯が付いている顎骨などの頭骨の一部が発見されている。
備 考 引用・参考資料
 Enchodus sp. - Oceans of Kansas Paleontology
      http://oceansofkansas.com/enchodus.html





0261 掲 載 日 2017年10月5日
入院中にて更新できず





0260 掲 載 日 2017年9月28日
標 本 名  Argonauta argo Linnaeus
産  地  山口県下関市豊北町大字神田  (鍋島海岸)
           34度19分58.08秒 130度53分27.34秒
時代 地層   現 生
標本写真



コメント 1992(平成4)年2月8日 入手    カイダコ(貝蛸)  別名はアオイガイ(葵貝)

 巻貝状の貝殻を持つタコの仲間で、殼をつくるのは雌だけで、雄は雌の1/20の大きさしかない
もちろん海水棲で世界中の暖海域、熱帯域でみられ 表層浮遊生活をしている。
特に冬場 九州北部から北陸の日本海沿岸に大量に打ち上げられることがある。
今回の掲載標本も1991年の冬に大量に打ち上げられていたもので、美祢市歴史民俗資料館 高橋 文雄先生から頂いた 当時はまだ美祢市化石館はなく、岡藤コレクションは資料館に展示されていた。
 日本近海ではこのアオイガイの他に 同じArgonauta(アルゴナウタ)属で、タコブネ Argonauta hians Lightfoot もよく見られる。
備 考 引用・参考資料
 Wikipedia
 ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑




0259 掲 載 日 2017年9月21日
標 本 名  Hemiaster sp., H. aff.uwajimensis Morishita
産  地  愛媛県宇和島市新田町 古城山
時代 地層  中生代白亜紀後期 サントニアン  宇和島層群 古城山層 
標本写真

コメント 1978(昭和53)年8月22日 採集   ヘミアステル(ヘミアスター)属  ブンブクウニ

 益富地学会館の前身である京都地学会 例会(第235回)で採集したもの。
この産地は宇和島市内中心部の一角、小高い泥岩層の丘を切り崩し埋め立てに用いていたのか、この時は砕土・採掘はされてなく、一部に泥岩の崖が残されていて、化石の採集は十分楽しめたが今はこの場所は学校や住宅が建ち並んでいる。
以下 ニッポニカ より引用
 ブンブクウニは体が左右相称で前後の区別があること、殻上面に呼吸のための花びら模様があること、餌(えさ)をかみ砕くための口器、つまりウニ特有の「アリストテレスの提灯(ちょうちん)」をもたないことなどである。口は殻下面の前方に、肛門(こうもん)は後端に位置し、棘は多少とも後ろ向きに曲がって生えている。ほとんどのものが砂泥中に深く潜って生活し、砂泥中の微生物や腐食物を餌としている。
備 考 引用・参考資料
 森下 晶(1977)  日本標準化石図譜     朝倉書店 発行




0258 掲 載 日 2017年9月14日
標 本 名  Crinoidea     ウミユリ綱の一種
産  地  山口県美祢市大嶺町東分日永
                34.172977, 131.186915
時代 地層  古生代  ペルム紀           常森層 
標本写真



コメント 1972(昭和47)年8月2日 採集     クリノイドの仲間

 ペルム紀のクリノイド類は普通石灰岩中に産することが多いが、日永の常森層から見つかるものは、非石灰岩層(頁岩層)に含まれる、本体は解け去ってかろうじて軸だけ残ったキャストでの産状。下図はこの時に描いたメモ。
 当時23歳 車の免許をこの年の1月交付されたばかりで、車も中古のカローラのライトバンを19万円で購入して初めての長距離ドライブだった。同行してくれたのは母校地学部の後輩の高校三年生一人だけ、訪問先も恩師河畠先生にお願いして、大嶺高校の岡藤五郎先生(1924〜1978)に一本の紹介状を書いていただいて、大嶺高校へ伺いそこで初対面の岡藤先生に厚かましくも翌日、化石産地の現地へ案内して頂いた。
備 考 引用・参考資料
 岡藤五郎(1971) 秋吉台および周辺の化石図集
               (財) 山口県教育財団 発行
 兵庫地学会(1971)  昭和46年度 兵庫地学会巡検案内書  (コピー製本)
                兵庫地学会 編集 (担当 後藤博弥・河畠利雄)




0257 掲 載 日 2017年9月7日
標 本 名  Vicarya yokoyamai Takeyama
産  地  福井県福井市国見町 三本木川上流
時代 地層  新生代新第三紀 中新世中期    国見層
標本写真



コメント 2016(平成28)年6月27日 採集   ヨコヤマ・ビカリア 

日本古生物学会の2016年会(福井県立大・福井県立恐竜博物館)の帰路 採集に立ち寄らせていただいた福井の三紀層・国見層での採集品。 地元の研究者から事前に産地の情報は得ていた。
 産地に到着して、70歳に近くなった身体には余りにも急深な崖が目の前に広がっており、梅雨時の晴れ間でしたが湿度が高く現場はむんむんとしていた。結局、崖の登坂はあきらめ、最下部の露頭に挑戦、ボチボチと化石は見られるのですが、どうもタガネを打ち込んでまで崩す気が起きず、表面採集に徹したため殻の解けたものや一部が欠損したものしか採れません。
しかしこの大露頭は時間をかけて掘り込めば良品は採集できる興味深い露頭だ。
備 考 引用・参考資料
 Tomio Nakagawa(1998) Miocene Molluscan Fauna and Paleoenviornment in the Niu Mountains,Fukui Prefecture,Central Japan
SCENCE REPORTS OF THE INSTITUTE OF GEOSCIENCE UNIVESITY OF TSUKUBA SECTION B=GEOLOGICAL SCIENCES v,19, 61-185




0256 掲 載 日 2017年8月31日
標 本 名  Strombus vittatus japonicus (Reeve)
産  地  石川県珠洲市正院町平床
時代 地層  新生代第四紀更新世後期「平床期」(約15〜7万年前)  平床貝層(ひらとこかいそう)
標本写真





現生種シドロ属類の蓋(9月7日写真追加)
コメント 1986(昭和61)年8月15日 採集  スイショウガイ(ソデボラ)科 シドロガイ(シドロ)

 「平床貝層」については、貝類化石を含む地層の地形学的・地質学的資料及び貝類化石の古生物学的資料として全国的に極めて貴重であることから、平成3年に正院町川尻苅安の露頭を県指定天然記念物に指定され、その後、産出する貝類化石の研究がされ、研究に使用した化石標本の二枚貝・巻貝・角貝の貝類計137種類5,397点については、平成16年に天然記念物に指定しされた。(以上石川県のHPより引用)
 シドロと云えば“しどろもどろ”という言葉を思い起こす。 “秩序がなく乱れている”ということだが、貝の名のシドロはシドロの蓋(ふた)は細長くつめ形で外側に鋭い歯状のぎざぎざがある。この蓋を海底にひっかけて、あたかも棹(さお)さすようにジグザグに移動するようすが「しどろもどろ」と形容されて、和名の由来となっている。(コトバンクより引用)
 これは余談だが“モドロ”はいないが“フドロ”という巻貝はいる。
備 考 引用・参考資料
 藤 則雄・吉村晴美(1979) 能登半島最新世平床貝層の古環境解析 金沢大学教育学部紀要 自然科学編  27巻 45-60
 藤 則雄・松島義章(2002) 石川県指定天然記念物能登半島最新世後期『平床貝層』からの貝類化石の分類学的・古環境学的研究 : 調査報告  石川県珠洲市教育委員会




0255 掲 載 日 2017年8月24日
標 本 名  Clementia cf. papyracea Gray
産  地  和歌山県西牟婁郡白浜町 (阪田歓喜神社裏) 阪田鼻
時代 地層  新生代  中新世 中期    田辺層群 白浜層
標本写真



コメント 1968年(昭和43)8月?日 採集          マルスダレガイ科 フスマガイ   

 大学3年だったと思う 高校時代の友人と2人で紀伊半島の42号線沿線をまともな計画なしにドライブ旅行をした時に採集したもの。
 国土地理院の白浜地域の地形図を見ると、史跡・名勝・天然記念物の地図記号があちこちにある。これらは白浜の“泥岩岩脈”として保護・保存されたものを示す。田辺層群にはこれらの地層が堆積した中新世頃に、泥火山(でいかざん・どろかざん)の泥水噴出孔の跡で、地下で流動しやすい岩石や地層がその上方にある流動しにくい岩石や地層を押し上げながらその中へ塑性的にしぼりだされるように貫入して形成される円頂丘状の地質構造で,このような現象をダイアピリズムdiapirismといい。このドーム状の構造を押し分けて下位に堆積していた流動性の高い泥がまるで火山が噴出するように流れ出た跡、噴気孔を岩脈と呼んでいる。
この現象は 現在でも見られ、北海道の新冠泥火山・アゼルバイジャンのゴブスタン泥火山群・インドネシア・東ジャワ州のシドアルジョ泥火山などが知られ 時には集落が一夜にして泥に沈むことがある。
備 考 引用・参考資料
 中屋 志津男 浜田 好弘 (2009)  紀伊半島南部の下部中新統田辺層群の古期泥火山
                  地学雑誌   Vol. 118 (2009) No. 3 P 472-491
 宮田 雄一郎 三宅 邦彦 田中 和広 (2009) 中新統田辺層群にみられる泥ダイアピル類の貫入構造
                  地質学雑誌  Vol. 115 (2009) No. 9 P 470-482
 ウィキペディア




0254 掲 載 日 2017年8月17日
標 本 名  Tetorimya carinata Hayami
産  地  岐阜県高山市荘川町野々俣 御手洗(みたらい)
時代 地層  中生代  前期白亜紀  ベリアシアン階    手取層群 九頭竜亜層群 御手洗層
標本写真

コメント 1977(昭和52)年7月31日 採集    ウミタケガイモドキ目ウミタケガイモドキ科

 実に40年も前の採集品です。高校地学部の顧問をされていた恩師と2人での採集旅行(巡検)。
岐阜県内の産地 瑞浪・福地・荘川村・赤坂と二泊三日で見学させていただいた。
特に大野郡荘川村(現在は高山市荘川町)での見学地は興味深いものがあった。御母衣湖の湖岸の牛丸の汽水域のCorbicla sp.、また、御手洗の海棲のModiolus sp.やアンモナイト類など堆積環境と産出化石の違いを実感させられたフィールドであった。
この当時 御手洗層はジュラ紀後期とされていたが 佐藤ほかの産出するアンモナイト類の再検討で、前期白亜紀ベリアシアン階とされ時代は1000万年近く若返った。
備 考 引用・参考資料

佐藤正、蜂矢喜一郎、水野吉昭(2003) 岐阜県荘川村の手取層群から産出したジュラ紀末期−白亜紀初期アンモナイト
瑞浪市化石博物館研究報告、No.30: 151-167




0253 掲 載 日 2017年8月10日
標 本 名  Thalassina tsuyamensis Ando & Kishimoto
産  地  岡山県津山市高尾 皿川河床
時代 地層  新生代第三紀  中新世中期 勝田層群 吉野層
標本写真
  

剖出作業前          剖出後 背面観           剖出後 腹面観
コメント 2017(平成29)年7月27日 採集   オキナワアナジャコ属  タラシナ・ツヤメンシス

先日、ほぼ3年ぶりにThalassina tsuyamensis Ando & Kishimoto が採取でき、早速、クリーニングに挑戦。
尾節はかろうじて残されていたが、採集時に他の腹部の体節は現場の水中で粉々になり回収は不可能となり、石粉粘土で修復をしてみたが、色付けはやはり難しい。
備 考 参考資料
 岸本眞五 (2015)  岡山県津山市の勝田層群から化石十脚類 オキナワアジャコ属の産出
               兵庫県立人と自然の博物館 共生のひろば 10号 8-13
 Ando & Kishimoto & Kawano (2016) Two new species of Thalassina (Decapoda, Thalassinidae) from the Miocene of Japan
     Neues Jahrbuch fur Geologie und Palaontologie - Abhandlungen, Volume 280, Number 1, April 2016, pp. 107-117(11)




0252 掲 載 日 2017年8月3日
標 本 名  Kotorapecten egregius (Itoigawa)
産  地  岐阜県瑞浪市松ヶ瀬町 土岐川河岸 
            瑞浪市化石博物館指定野外学習地
時代 地層  新生代第三紀  中新世前期 瑞浪層群 明世層(累層) 山野内層
標本写真

コメント 2016(平成28)年5月31日採集    エグレギウスホタテ
 
 瑞浪市土岐川の野外学習地は、誰でもが化石を実際に露頭から採集することが体験できる場所として、博物館で管理された河川敷の化石産地として知られている。、浅海域の堆積物からなりFelaniella usta (ウソシジミ)等を多産している。
 2008年には同博物館ボランティアスタッフの楓達也氏によって哺乳動物の下顎(したあご)と思える化石がこの野外学習地で発見され、国立科学博物館の冨田幸光先生の研究で、骨や歯の形からナキウサギの仲間であることが分かり、この化石についての報告が、学術論文として2012年発行の日本古生物学会欧文誌「Paleontological Research (パレオントロジカル・リサーチ)」に掲載された。
備 考 引用・参考資料
 瑞浪市化石博物館(2016) 執筆・編集 安藤祐介  みずなみ 化石&博物館ガイド
 TOMIDA (2012)  New Species of Alloptox (Lagomorpha, Ochotonidae), First Record of the Genus in Japan, and Subgeneric Distinction   Paleontological Research Vol.16, no.1, pp.19-25

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