鳥取県 新生代の化石
鳥取県には化石を産出する新生代の地層は大きく見て
県東部地区の鳥取層群・県西部地区の備北層群相当層の多里層
それに県中央部の三朝層群の三ヶ所が上げられる。
これらの地層は鳥取層群と多里層は中新世中期の海成層、
また三朝層群は鮮新世の陸成層とされており
それぞれ特徴ある化石を産出している。
1.多里層の化石
採集標本一覧
標本写真 | 分 類 名(学 名) | 地 層 | |
二枚貝類 | |||
1 | Ennucula sp. | 多里層 | |
2 | Vasticardium sp. | 多里層 | |
3 | |||
巻貝類 | |||
1 | Nassarius notoensis MASUDA | 多里層 | |
2 | |||
甲殻類 | |||
1 | Callianassa sp. | 多里層 | |
2 | |||
ウニ類 | |||
1 | Linthia tokunagai LAMBERT | 多里層 | |
2.鳥取層群の化石
鳥取県東部に分布する中新世の地層から産出する化石は、普含寺泥岩層の魚の化石が良く知られている。
また、諸鹿礫岩層のVicaryaなども黒いビカリアとして有名である。
鳥取層群は中新世に生じた沈降盆地内に形成された一連の堆積物と考えられていて、備北層群・勝田層群等と
同様の環境を示す貝化石を産するが、普含寺泥岩層の魚や植物の化石は備北・勝田ではみられないもので、
大変興味を引くが、個人的嗜好で植物化石をまったく採集していないのが悔やまれる。
層序区分表(松本1986)
鳥 取 層 群 |
岩 美 累 層 |
荒金火砕岩層 小田安山岩層 |
普含寺泥岩層 | ||
円通寺礫岩砂岩層 諸鹿礫岩層 | ||
八頭累層 | 河原火山岩層 | |
郡家礫岩層 |
採集標本一覧
3.三朝(みささ)層群の化石
後期中新世から鮮新世の堆積層とされる三朝層群は多くの植物化石を産出することで
知られている。ことに人形峠累層の岡山県との県境佐治村の辰巳峠の植物化石は良く知られている、
この辰巳峠層の化石は、平行ラミナのよく発達したシルト岩ないし泥岩であり、保存良好な植物化石を含む
層準に昆虫化石を産出するが頻度は高くない。
この産地へは一度だけ訪れたことがあるが現地での採集はしていない。
参考文献 佐治村辰巳峠の化石 --後期中新世の植物と昆虫の化石-- 平成4年(1992)鳥取県佐治村 郷土文化シリーズ 第48輯
編著者 山名 巌 (鳥取県立博物館) ・ 円尾敏照(近畿地学会会員)
標本写真 | 分類名(学名) | 地層 | |
植物 | |||
1 | Stewartia hokiana OZAKI | 辰巳峠層 |