能登関野鼻・金沢犀川大桑

2013年8月3日〜4日


能登関野鼻の海岸露頭(8/3)

細かな砂を基調とする石灰岩質砂岩層が主体で
上位層ほどウニ・フジツボ・腕足等の軟体動物の化石を多く含む層が見られます。


地層断面には生痕(サンドパイプ)が


層理面にも生痕が無数に観られます。


フジツボ類の破片もあちこちに・・・


ウニ類の破片も・・・


ウニ類の破片は密集して観られる層準もあります。


ウニの棘も多くみられます。
この様にウニ類の部品は多く見るのですが、
ウニ本体の体化石は結局見ることができませんでした。


巻貝では イトカケガイの仲間が最も目立ちました。


あちこちにこの様に 母岩の風化によって素晴らしい状態で見えているのですが・・・
 

見た目 貝殻はしっかりしている様に見えますが
殻は非常にもろい状態です。
採集時には 特に 母岩に隠れている部分は注意が必要です。
 

タマガイ類の蓋と思われます。


今回の訪問で一番の目的に考えていた “骨化石”です。
この日も三か所で骨と思しき物はみることが出来ましたが
風化が進み、露頭から取り出すことは出来ませんでした。


小さな礫を含む層準で露頭に這いつくばって目を凝らして探し物です。
老眼には辛い採集です。


ここでは サメの歯も多く産し、破片も含め私は16本得ることが出来ました。
(この日の私のサメの歯探しは40分程度)

金沢犀川大桑

大桑の犀川に平成9年に架けられ、ここに産出する貝化石から名付けられた『貝殻橋』です。



橋の上流側(犀川層 中新世)です。
訪れたこの日の数日前に 金沢ではゲリラ豪雨的な雨があった様で
河川敷の 岩場は濁流によって一皮剥ぎ取られるように更新され
化石を観察するには最高の条件でした。


上流側では 植物片が目立ち このように密集してベットを造っているところもある。


材化石には テレドによって浸食され、カキ殻の取りついた物も観られました。


二枚貝も合弁で、現地棲を示す状態での産状を観ます。
(貝はナミガイと思われます。)


フジツボ類です。
相当大きな個体でしょう!!
クジラなどに取りつくとされているオニフジツボでしょうか・・・


ここでも 生痕化石が密集する層準が見られました。



橋の下流側(大桑層 更新世)です。
水の流れは速く 足を滑らせ流れに落ちれば命の危険も考えられるほどでした。



下流側の層準大桑層は、貝化石の化石床がいたるところで
観ることが出来ます。


化石床によって 主となる化石は変化が見られます。






また今回私の目的としていた ウニ化石もあちこちで顔を見せてくれています。
この場所の最下位の層準には ブンブクの仲間


その上の層準にはサンショウウニが・・・


そして更にその上の層準にはカシパンウニが
それぞれあい交えることなく産出します。






今年の夏の巡検 骨化石こそ得ることは叶いませんでしたが
大桑では最高の条件で露頭が観察ができ
目的のウニ化石も得られ素晴らしい思い出ができました。

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