その2
淡路島産
ディディモセラス アワジエンゼ
Didymoceras awajiense
ディディモセラスは淡路島の和泉層群では一番下位の地層に当たる湊頁岩層から産出し
これらの地層は淡路島の最も西に位置する西淡町木場・仲野地域分布する。
ディディモセラスはプラビトセラスと共にノストセラス科に分類され、
ことにこのディディモセラスは個体変異が大きくその形態は
成長の初期から中期にかけての螺菅の形状は変化に富んでいる。
成長初期の段階はプラビトセラスと同様に塔状でそれ以後成長するにしたがってそれぞれの
個体変異が生じ平面的に成長していくもの、またそのまま塔状のまま成長していくものがある。
また、プラビトセラスとディディモセラスの形態は大変共通したところがあり
例えば螺菅の断面は円形で、それぞれの螺菅の表面の肋の形も同様で
肋の上に出てくるイボ状の突起もそっくりで、螺菅の一部だけの標本では区別するのが難しい。
これらからプラビトセラスはディディモセラスの一形態ではないかという説もある。
ただそれぞれの標本の産出層準を現場の露頭で詳しく見ていくと、平巻きタイプのディディモセラスが
最も下位の地層からの産出が多いように思われ、その上位には塔状のディディモセラスの層準
そして、どちらの種も産出しない層が数10m続き今度はディディモセラスは見られなくなり
変わってプラビトセラスのみが産出する層準に変わる。
これらの現場での観察は先の形態の変化の過程を考えた場合、塔状の巻きのものから
平面巻きのディディモセラスに進化しその後プラビトセラスに移行していったと考える説には合致しない。
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